「あの世はどこですか?」
この世を仏教では、娑婆世界といいます。
娑婆とは「堪え忍ぶ」という意味で、この世は、堪忍土「堪え忍ぶところ」という捉え方です。
誰しも幸せをもとめつつ我慢することもある人生をいつか終え、死後の世界へ旅立ちます。
では、「どこへいくのか?」
実は、誰にもわかりません。
行って帰って来た人が無いからです。
しかし、死んだら終いでは淋しすぎます。
【人は、死後どうなるのか?どこへいくのか?】
が、人の有限の人生の中で一番の不安事になりました。
だから、
古代は不老不死が求められ、エジプトのミイラのように
「来世がある!」
「無いと困る!」と、
生まれ変わりや再生、転生の思想ができました。
宗教もその不安を安心に変えるものとして生まれ、人々に活用され続けてきました。
【人は、信じるところへいく】
と言われています。
だから宗教によって、拠り所とする教えによって、異なるあの世が異なるのです。
仏教の中でもあの世の世界が異なるんです。
わが浄土宗では、
お念佛を称えた人は、阿弥陀如来のおられる西方極楽浄土へ往くのです。
「あの世がどこか?」
ということが問題なのではなく、
「あの世がある!」とを心得て、
この世(娑婆世界)を不安無く生き抜くことの方が重要なことなのです。
つづく