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知足小欲を
心に抱くと
日々の
小さな事が
喜びになる
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仏教は、お釈迦さまの教えであり、
その教えをもとに私たちが実践して、
仏に成る教えでもあります。
その中でもよく知られている教えが「知足」(足るを知る)の教えです。
「これも欲しいあれも欲しい」
と欲は何事に於いても際限なく次々と出てきます。
一瞬満足してもまた
「もっともっと」と強欲によって結果、
身を滅ぼしてしまうことも少なくありません。
私たちには、煩悩という苦しみを生み出す精神のはたらきがあります。
その三毒煩悩といわれるのが「貪瞋痴」(トンジンチ)です。
貪欲(もっと欲しいの貪りのこころ)
瞋恚(カッと腹立つ怒りのこころ)
愚痴(物事の道理を知らない愚かさ)
これらの煩悩は、今生において修行を積んでも無くすことはできません。
お経にも
「始まりが無い昔からに由る」ものとされています。
つまり、
生きている限り湧いて出てくるものです。
しかし、
これらを野放しにして勝手気ままに欲望に任せて暮らすのは
人間としての生き方ではありません。
少しでも制御し、より善い生き方の規範に成るのが仏教なのです。
若い時は未熟ですし上と比べると、自分に無いもの足りないものばかりで、
それを手に入れて喜びを見出すことにあくせくしていたように思います。
それは落ち着きのなさやイライラも生み出していました。
このような生き方ではなく、
のんびり、ゆったり、ホドホド
を規範に生きていくのが仏道だと教えられました。
人はみな幸せになりたいと思いっています。
そのためには自分の夢や希望の実現・達成があります。
その夢や希望も欲です。
ですから欲は無くせませんし、その欲によって幸せにもなれるのです。
その欲とうまく付き合い、満たされない苦しみや不安を少なくし、
幸せや心の平安を感じる教えが「知足小欲」です。
自分の現状に満足し、身の程をわきまえてむやみに不満を持たないようにする。
そうすると、欲が小さくなってきます。
我らが法然上人は
「喜足小欲の貪は苦しからず」
と示してくださいました。
足りている今を喜ぶと欲が小さくなると。
しかも
南無阿弥陀仏の念仏を称えることで、
今あるものに感謝し喜びを見出していく
「足るを喜ぶ心」
が育まれます。
この知足小欲の生き方は、
心の平安と満足感を得るための道標なのです。
合掌
南無阿弥陀仏
専称寺 亀山政臣拝