2007/10/08(月)09:15
西の魔女が死んだ
~解説から~
日々の中で、人間は、自らが作り出した科学物質をはじめとする人工的なものに囲まれ、
さらに、人工的なよくわからない物がたくさん入ったたべものを食べて生きています。
それは少しずつ人間を歪め、社会全体を歪めてきたように思います。
いつのまにかそんなおかしな格好になってしまった人間も、本来は、他の生物と同じ
自然の一部ですから本能的にどこか変だと感じていても、すぐにはどうすることもできずに
毎日を生きています。様々な社会問題は、全て、そんな人間の歪みが引き起こしているので
はないかと思えてなりません。
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この物語には、人によって形は異なりはしても、私たちが実際にしあわせに生きるための
ヒントがいくつも書かれていると思います。おばあちゃんの、この一見古風な生き方は、
実は、古くもあり、同時に最も新しくもあります。それは、まさに現代社会に生きている
まいが、自分の力で立ち直り、自分の足で歩きはじめるのに有効であったということから
もわかります。
本当に価値のあるものは何であるのか。
今、現実に私達のいる社会が求めた答えのひとつがここに在り、
書かれるべくして書かれた物語のように思えてなりません。
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一つめは、ごはんの時、ひとくち、ひとくちをよーく噛んで食べてください
(なるべく、今自分がいる国で産した、旬のものを)
すると食べたものたちが体にしみ込んでゆく感じがして元気がでます。
米・野菜・魚・肉・・・・。
料理される前は、みんな自分を同じように生きていたのだという事実、
そのお蔭で自分は生きていられるのだという事実も思い出してください。
二つめは、もしもテレビやラジオなどが、身の回りで常についている状態にあるのでしたら、
一度、それら全部消してみてください。
何だか落ち着かない気持ちになるかもしれませんが、今まで、あふれる音に埋もれていた
「自分」が現れてきます。
そして三つめは、庭があるお家ならば庭でよいですし、無ければ近くの公園などへ行って
そこの土地や草の上に、裸足で立ってみてください。靴と靴下を脱ぐのは、最初ちょっと
抵抗があるかもしれませんが、きっと何かが目覚めるような感覚を体験できると思います。
~おばぁちゃんの台詞から~
「身体を癒す草木に対する知識や、荒々しい自然と共存する知恵。
予想される困難をかわしたり、耐え抜く力。そういうものを、
昔の人は今の時代の人々よりはるかに豊富に持っていたんですね。
でも、その中でもとりわけそういう知識に詳しい人たちが出てきました。
人々はそういう人たちのところへ、医者を頼る患者のように、
教祖の元へ集う信者のように、師の元へ教わりに行く生徒のように、訪ねていったのです。
そのうちに、そういうある特殊な人たちの持っているものは、親から子へ、子から孫へと
自然と伝えられるようになりました。知恵や知識だけでなく、ある特殊な能力もね」
「多かれ少なかれ人にはそういう力があるんですよ。
でも、人より多くそういう力のある人はいますね。人より上手に歌が歌えたり、
計算が早くできたりする人がいるようにね。私の祖母がそうでしたよ」
おばぁちゃんのような魔女になりたいと願い始めた孫娘に
おばぁちゃんが魔女修行として諭した言葉。
「そうね。まず早寝早起き。食事をしっかりととり、よく運動し、規則正しい生活をする」
「悪魔を防ぐためにも、魔女になるためにも、一番大切なのは、意思の力。
自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力です。
その力が強くなれば、悪魔もそう簡単にとりつきませんよ。
まいは、そんな簡単なことっていいますけれど、
そういう簡単なことが、まいにとっては一番難しいことではないかしら」
学校生活に馴染めなくなり、どうしても学校に行けなくなった少女が
山の中で魔女を自称しながら自然と一緒に暮らす、
大好きな大好きなおばぁちゃんと一緒に過ごす短い期間のお話。
魔女として暮らすおばぁちゃんの魔女修行の肝心かなめは
『何でも自分で決める』 喜びも希望も、もちろん幸せも
~教えていただいた桃のコンポートのよに心がキラキラする素敵な話♪~
どうしてみ~しゃおねぇさんが、魔女を自称するのか知りたくて
おねだりして教えていただいた本。(^^) なのでした♪ ←幸せもの
あたしもいつか魔女になりたぃ♪
昨日朝日の読書欄で素敵な本の紹介にも載っていました。
映画化されるそうで♪おめでとうございます♪