日本画家・絵師 高橋天山のブログ

2011/11/01(火)08:50

続 大和絵の奔流

傑作展覧会(10)

   そして、我等がヒーロー、菱田春草には、こんな作品も・・・・     【仏御前】 平清盛に自ら近づいて、白拍子としての名声を一挙に手に入れたものの、清盛に捨てられて、栄華を失い、無常を悟って、嵯峨野の妓王、妓女の元に出家する。と言う、平家物語にある有名な一シーン。 嵯峨野の寂とした秋の風情と仏御前の哀愁がひしひしと伝わってきますね。 ****************** このように、我々日本人は、昔から、【桃太郎】のように、爺さんもそのまた爺さんも、そのまた爺さんも、・・・先祖代々楽しんできた文化が、時を越えて息づいてきたのです。 ところが、先の終戦を境にして、長年月楽しんで培ってきた日本固有の文化をいとも簡単に捨てるようになってしまいました。 アメリカに憧れるように仕向けられ、ヨーロッパ文化に心酔し、シナ朝鮮の文物をも日本のそれよりも上等のものであるという、自虐、自縛教育に洗脳され、先祖代々当たり前の様に大切にしてきたものを、大した吟味もせずにかなぐり捨ててきたのです。 遺されたものも今や風前の灯。 私は、単なる懐古趣味で申し上げているのではありません。現代に牛車を持ち込め、と考えているわけでもありません。 日本にしかないものが山ほどあるのに、それへ目を向けずにどこにでもころがっているようなものに執着して、世界を相手に小競り合いする様な愚かさを、もうそろそろ、日本人も気付かねばならないと強く思うのです。 大和絵は日本文化の根幹の一つ、であり、ここを目指して歩む日本人が一人でも増えてゆく事が、日本を取り戻すヨスガとなればと、願っています。 映丘。鞆音。春草。・・・・・・日本画=大和絵の奔流に殉じた天才達を学びながら。

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