日本語で話そう

2024/07/03(水)21:01

大冒険

翌朝、朝食を済ませて、テムジンは自分の車で帰って行った。一度帰って、犬のジェシーを連れてガチュールトに有るお父さんの夏のゲルに置いてくると言う。 そのために2台の車で来たのだ。 我らは朝食を食べてウランバートルの帰路、テレルジリゾート地の再奥に向かう。広大なリゾート地(日本の軽井沢のような)テレルジ国立公園は日本人の観光客ならたぶんほとんど全員が訪れる超有名地。我らはその日、観光バスや普通乗用車では行かれないその奥の方に踏み込んだ。 再奥の古いホテルを過ぎると村が有って、板塀で敷地を囲んだゲルがいくつも有った。google map で見ると裏山を通ってガチュールトの街に出られるコースが有る。バースカが行ってみようと言う。 人家が無くなり、牛や馬やヤクが放牧されている草原を走る。家畜は春に子供を産むから、どの種も子連れの群れ。下の写真は道路(まあ道らしきもの)を行くヤク(牛の種類で気が荒い)。牛もヤクも馬も羊もラクダも絶対自分からどかない。あっちが道の真ん中で「車が避けて通れ」と睨んでくる。(無表情だけど) ヤクの子、羊の子、馬の子が移動するお母さんのおっぱいを求めてお腹の下に潜り込む姿が可愛い。 丘を登る道を空に向かって登り切ると、峠のてっぺんに1台の車が止まっていて、女性と子供を連れた家族が食事をしていた。(ほぼ酒盛り) そこで車を停めてちょっとした交流が有った。みんなで大笑いして、写真を撮って、お礼に日本から持って来た箱入れのバームクーヘンをあげたらハグされた。 この貰った親切にちょっとしたお礼の返礼は去年の旅で学んだこと。もう二度と会わないかもしれない人だけど、相手が「日本から来た人に貰った」と思い出にしてくれたら嬉しい。だから今回は小さな菓子折りを幾つか持って来ていた。私の旅は人との出会いの旅だから。 丘を反対側に降りる道は急坂でちょっと怖かった。 「上の道は危険だ。下の道は通れない。真ん中の道は君の車でなら行かれる。」とその家族にアドバイスを貰って出発。 辺りは時々木々の中に馬が見え隠れする林の中の道、時々黄色い花がびっしり咲き乱れる草原、時々青い花で埋め尽くされた山の裾野。 男は「馬を見に」女は「花摘みに」ちょっと木立に入る。トイレ休憩の事をモンゴル人はこう言う。広大な自然に簡易トイレなんてない。モンゴルでは普通の事。隠れ場のないどこまで行っても真っ平らな草原では、辺りを見回すそのキョロキョロ時間が長くなるだけ。けれど同行者さえあっち向いていれば人っ子ひとり居ないのだ。 また峠を越えるとライダーが登ってくる。眼下に村のゲルが見える。彼方にはガチュールトの別方向へ抜けると思われる峠が見える。 道が有るかって?有るような無いような。轍のある所が道。轍が何本も有ったら、1番良さそうな道を選ぶ。感が頼り。モンゴルどこを走っても良いのである。この先村に入る。google mapの通りに道なる所を進むと、前々日の雨で道路は川になっているので、はまったら最後抜け出せない。 モンゴルでは自分で道を作りながら走るのである。 牛は泥道にはまることもないので、川の中だろうが泥の中だろうが歩く。大体雨が降らなければ川なんて無いから、雨が降ったから川ができた。 普段から流れている大きなトール川が有るが、それは前日、テレルジに行く手前で氾濫して洪水を起こしていた。 ここもリゾートキャンプの場所。前日泊まったホテルを予約する時に、ウサギは絶対川の側のキャンプを選ばないようにテムジンに伝えてあった。 さて、バースカの車でもう直ぐガチョールトという所の小さな村で、小川の向こうの丘で坂を登るのに失敗したトラックがずるずると横滑りしていた。おお怖。 map 通りの道を通っちゃったらしい。 ガチュールトの街に出て別れ道を幹線道路に。テムジンはきっとその分かれ道から違う谷方向のお父さんの別荘のゲルに行ってるはず。そっちの道も途中から舗装が切れた悪路になるはず。

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