東京都知事選に浅野史郎前宮城県知事が立候補し現職の石原慎太郎氏との間で都知事の椅子を争うことになった。両氏とも既成政党の推薦を断り無所属での立候補となるが、浅野氏は民主党の応援を、石原氏は自民党の応援を得て「自民党VS民主党」の構図となりそうだ。
統一地方選挙で実施される13都道府県の知事選の中で「自民党VS民主党」となる地域は5都道府県で、残りの7県は自民、民主の相乗りか民主の候補擁立が難しい地域である。民主党の小沢代表は地方組織強化のために原則的には相乗りを認めない方針を示していたが、自民との相乗りで楽をしてきた7県連には候補擁立の力は無かったわけだ。
また民主党の小沢代表は都知事選候補の選定でも「都連の皆さんに任せる」と自ら動くことはなかった。参議院1人区の候補者擁立に走り回っている姿とは対照的である。統一地方選挙はあくまで地方の行政サービスを競う選挙であり、政権交代を争う参議院選挙とは次元が違うと言う認識なのだろう。
ところで小沢代表は国会を菅代表代行や鳩山幹事長に任せ、もっぱら野党共闘や地方廻りに精を出している。民主党には未熟な若手議員が多いせいか、度重なる安倍内閣の失点にもかかわらず、国会で政府を追い詰める事ができない。そのためか自民党の支持率は下がっているのに民主党の支持率は伸び悩んでいる。
小沢代表は「国会で過半数を持っていない民主党では、いくら政府を追及しても数の力で勝てない」とし、とにかく「選挙に勝たなければ民主党の存在価値は無い」と考えているのであろう。このように小沢代表の行動は「参議院選挙に集中した戦略的な動き」であり、日本を良くするためには「政権交代しかない」と執着する姿には鬼気迫るものがある。
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