臨時国会が10月1日に再開するやいなや「インド洋での海自補給艦の航海日誌破棄問題」や「政府が発表した給油量のミスが4年前に把握されていた事実」、さらに極めつけは「守屋前事務次官と業者の接待疑惑」など防衛省内部のずさんさな管理体制が次々と明るみに出ている。
安部前政権では農水省の官製談合や社会保険庁の年金着服などの不祥事が世間を騒がせたが、これらの問題が片付かないうちに今度は厚労省の肝炎患者リスト放置問題や防衛省の不祥事やである。どうやらこのような「ずさんな管理体制」は農水省や社保庁、防衛省、厚労省だけにとどまらず全ての役所に内在する問題なのであろう。
国民が「お上」と恐れ敬う役所が何故これ程までに腐ってしまったのか。どうやら今回の守屋前事務次官の例に見られるように「高級官僚」と「業者」、またそれに与する「政治家」らの癒着が根本原因にあるようだ。確かに甘い汁を吸っている「偉い人」の姿を部下の役人が間近で見ていれば、それを真似したとしても罪悪感は全く無いのだろう。
また腐敗が役所にはびこっても税金で動く役所は民間企業のように倒産することは無い。こうして役人や政治家による税金ピンはねが常態化すれば行政コストは天井知らずになり国家財政を圧迫するのは当然だ。そして人間社会の常ではあるが、管理体制の緩みは役人同士の抗争を助長し内部告発合戦となり不祥事が世間に明らかになる。
このような不祥事は与党が衆参両院で過半数を占めていた頃は、役所が与党政治家を動かし蓋をしてきた。しかし「ねじれ国会」で野党の力が強まるにつれ隠しきれなくなっているのだろう。いずれにしろこのような役所のモラル低下は自民党政権が長く続きすぎ、役所に緊張感がなくなったことが最大の原因であることは間違いない。
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