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Secret Garden

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私にとってのネット


2002年 2月 26日    私にとってのネット


もう6~7年も前の話になるでしょうか。
私もすでにかつらーになっていたんだけど、その頃はまだ、まだらに髪の毛が残っていて、円形脱毛症がひどくなった感じで、一番見栄えのひどい頃でした。
夜中の1時ごろに家でお風呂に入っていたんです。
髪の毛を洗ってふっと窓のほうを見るとさっき閉めたはずの窓が開いていたんです。
???って感じで窓の外を見るとそこに人が。
思いっきり叫びましたよ、ぎゃーってね。
もうすっごい怖かった。
自宅のお風呂とかトイレって、普通人には見られることのない数少ないくつろげる場所のはずなのに、自分の一番見られたくない姿を見られていたんだもの。
おかげですっかり視線恐怖症。
いつも誰かに見られているような気がして。
どこにいても安心できなくて。
自分の家の中でさえ、窓に面していない四方を壁に囲まれた部屋だけが唯一ほっとできる場所で。
そんな精神状態では、直るどころか酷くなる一方でした。
髪の毛どころか、眉毛もまつげも鼻毛や手足の産毛まですっかり抜け落ちてしまいました。
それが更なる恐怖の始まりでした。
もうどこかに行ってしまいたい、誰も私を知っている人のない場所へ・・・
そんなことばかりを考え、結局勤めていた会社も辞めてしまいました。
きっと、私が普通の人でただ裸を覗かれただけならこんなにショックではなかったと思うんです。
私は自分の気持ちに負けてしまったのです。

家にこもっている生活が数ヶ月続きました。
おりしも世の中はパソコン・インターネットブーム。
Win95が発売になり雑誌にもテレビにも「インターネットを始めよう」の文字が躍っていました。
誰にも会いたくないと思いつつ誰かに自分の存在を認めてもらいたいと思っていた私は、失業保険でパソコンを買いました。
親元にいて外にでない私には20万という金額もそう高いものとは感じませんでした。

そこで知り合った人々は本当に私の容姿なんて関係なく付き合ってくれて、私はようやく立ち上がることができました。
前の会社を辞めてから2年もかかったけど、今は再就職して元気にやっています。
ま、髪の毛は戻ってこないけどね。

あの時インターネットがなかったら、私は今頃どうなっていただろうと思います。
まだ小さく丸まっていたかもしれません。
状況に耐えかねて、ココロを病んでいたかも知れません。
本当にネットを通じて知り合った方には感謝しています。
そしてそんな私を見守り続け、守り続けてくれた両親にも。



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