贈り物

2006.11.09

(2)

自閉症児のＫ君がね、お母さんと下校途中にまわってくれてた。
Ｋ君の手から受け取った袋にはＫ君が今日学校で掘ってきたさつまいもがコロコロと５つも入っている。
「ありがと！！先生、おいも大好き！！」
「おいも大好き！」とＫ君はまだオウム返しだ。
しかし、実は・・。
お母さんが言うに玄関を出たときからずっと「コマッタ・・コマッタ・・」とつぶやいていたそうだ。
そう、Ｋ君はさつまいもは苦手なのよね、本当は。
大丈夫、大丈夫、先生が全部おいしい・おいしい・・っておなかの中に入れちゃうからね。もってきてくれてありがと！！

そういえば・・と思い出す。
Ｓ君も２年生のとき
「はい、これあげる！！サラダにして食べてね！」と学校で掘った人参をくれたことがある。
ビニールには入った人参はあかちゃんのオチンチンのようにシナシナで小指ぐらいの大きさだった。
さすがにサラダには無理だったけど、あん時のＳ君の真剣なまなざしにゃ、笑うわけにもいかなかったな。我が家ではしばらく「Ｓ君の人参」で盛り上がったもんだっけ。

３年生のＨちゃんは少し時間があると外に出て教室の周りから雑草に埋もれるように咲いている小花を摘んで私にくれる。
アトピーがひどくてなかなか体に力がつかないやせっぽっちなＨちゃんだけどいつもニコニコな笑顔が小花とだぶる。

子供たちには毎日毎日幸せをもらっているね。
ありがとさん。
せめてのお礼に、１回は教室で笑っていってちょ。
ちいさな子はミスした文を大げさに読んで「こりゃないべ～～」なんて言うだけでも１分は一人で笑ってる。
子供は話したくて笑いたくて仕方ないよね。
ここは勉強の場だけどね、小さな心のスイッチを今日も一押ししましょ。
笑いながら帰っていくんだよ、みんな！！

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最終更新日 2006.11.09 22:38:19
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