夜が待ち遠しい

2011/10/31(月)22:07

酒場にいる人間の種類

酒場(400)

 酒場にいる人間には3種類あります。酔っぱらっている人、酔っぱらっていない人、そして酔っぱらいつつある人。酔っぱらっていない人には従業員をはじめ、酒をのめない人、これから呑み始める人なんかが想定できるでしょう。一般的に酒場にもっとも多く存在するのが酔っぱらいつつある人でしょう。  当人にとって酔っぱらっていない人から酔っぱらいつつある人への移行は容易に認識することは可能ですが、ここから酔っぱらっている人に移行するタイミングというのを知覚するのはなかなか難しいことのようです。この一線がはっきり分かるようであれば、これまでの人生は随分安楽なものとなっていたことでしょう。  ところが、傍目から見るとこの過程は案外判別しやすいものとなります。わかり易いシチュエーションとしてカウンターでのひとり飲みしている人を想定します。呑み始める前、ようやく開いているカウンターの窮屈な1席を両脇の先客を気遣いつつ、着席します。カウンターの中にいる主人の目に留まるよう背筋を伸ばし、酎ハイなんかを注文します。ついでにカウンターの大皿を覗きこんで肴を物色したりします。ひとしきり呑んで酒場の雰囲気にも慣れてくると、狭くて硬い椅子による腰痛のためか両肘付いて、独りごとなんか呟きだしたりします。やがて頬杖なんかを突き出すとそろそろ最終段階に移行しつつあることがわかります。間もなくカウンターによだれなんかたらしつつ突っ伏してしまうことになるでしょう。ガラス戸越しから観察したとすると徐々にその人が縮んでいく様子が見られると思います。なので、これから入店する場合は可能であればまだ縮まっていない人の影が見えている付近を探すのが賢明でしょう。

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