夜が待ち遠しい

2013/12/23(月)09:12

出張ついでの北関東小さな旅:宇都宮・自治医大篇

栃木県(23)

 JR日光線の鹿沼駅で滑り込みで宇都宮行き列車に乗り込みますが,車窓の風景はさほど情緒のないどちらかというと退屈な風景が続きます。せいぜい14,5分で栃木県の県庁所在地である宇都宮に到着するのでいたしかたありません。ひと息つく間もなく宇都宮駅に到着です。宇都宮での滞在時間はごくわずか,駆け足で散策します。  ともあれ,何度も訪れて勝手知ったる宇都宮ですが,喫茶店めぐりは始めて。時間もないので駅前の数軒を巡る予定です。まずはかねてよりその存在は知っていたものの立ち寄るチャンスを逸していた駅前の大通りの果物屋2階のお店を目指します。「軽食&喫茶 ブーケ」がそれですが,2階に伸びる階段は荷物で塞がっており,どうやら閉店してしまったようです。そのあたりの事情を伺う間もなく,取って返して通りがかりで見掛けたお店にお邪魔しました。  「VAN」です。なんだかあまり気乗りしない店名ですが,店内は見通しが悪くとにかく入ってみようと飛び込みます。女主人がひとり席でくつろいでおられます。お喋りがお好きでどうしてこちらにおいでになったの,タウン誌でもご覧になったのとおっしゃいますが,こちらはまったくの飛び込み。お店の歴史を伺うと,店内に貼られるディズニーのポスターなんかを指さして,ディズニーランドの開園と同時なのよとおっしゃいます。1984年の開園なのでおおよそ30年の歴史があるようです。お喋りは留まることを知らないのですが,あいにく残り時間が少ないので,早々にお暇しました。  とりあえず駅前に引き返し,ふと気づくと「みちのく」というあまりにも懐かしい雰囲気の,かつては地方の駅前にどこにでもあったようなやってるんだかやってないんだかも定かでないようなおにぎり屋兼一杯飲み屋がありました。1杯位はよかろうと店に入ると,おにぎり屋というよりは,照明や椅子,テーブルのあつらえは,むしろ思いっきり渋いカウンター喫茶のような風情です。高齢の女将さんに夜勤明けらしきおじさん客が一人。すっかり元の色合いが分からなくなるほど煤けてしまった壁や天井,冷ややかな土間を眺めると不思議と心が安らぐのを感じます。冷えていたので,とりあえずと日本酒をお燗してもらいます。サービスに白菜のおしんこを付けてくれましたがこれがたっぷりでしかも変な添加物など入っていないらしい素朴なものでこれだけでもいい肴になります。おじさんと女将さんは初対面のようですが,話に花が咲いています。やきそばが食べたかったのですが,時間が気になりおにぎりと追加のお燗。驚くほど手際よく握られたおにぎりは大きくて,ふんわりしてとてもおいしかったです。店を出る際,引き戸の内側をふと見下げると,宇都宮の老舗BAR「パイプのけむり」の看板がそっと置かれていました。 品書:酒:280,サワー:350,おにぎり:120,やきそば:300  東武宇都宮駅のそばにもある「ブラジルコーヒーショップBC」の駅前店にはぜひ入ってみたかったのですが,時間切れとなってしまいました。宇都宮駅から東北本線に乗車,自治医大駅を目指します。  この駅で下車するのは初めてかもしれません。仮に降りていたとしてもほとんど印象に残らないくらいに町に個性が感じられないので1年も経ったらきっと忘却の彼方ということになりそうです。そんな正直退屈な町だったのですが,一抹の希望を胸にまずは自治医科大のある東口はお楽しみにとっておくことにして,西口側を散策しました。駅を出ると和食処みたいなのがありますが,店はその程度,餃子屋さんもあるらしいのですが,時間もないので駅前を眺めるだけですぐさま東口に移動です。東口側には大型スーパーや飲食店もそこそこありますが,ここぞという渋めの居酒屋は見当たらず,チェーンめいた店ばかりのようです。ひと巡りして,ここで呑むまでのことはないなと見切りをつけて自治医大に向かいます。 (お仕事タイムは割愛)  獣医師のK氏から自治医大には居酒屋があるとの情報を入手。東大やらで酒を出す学食はいくつか知っていますが,居酒屋そのものがあるというのはちょっと珍しいので行ってみることにします。Jプラザという建物にありそうです。この建物にはコンビニやレストランは当然のことですが,薬局や理容室,旅行代理店に宝くじ売り場まであって,大学の敷地内は小さな町として機能しているようです。ところが肝心の居酒屋らしきものは見当たらず平凡なレストランが営業しているばかりです。あまり時間を使ってはもったいないので,駅方面に向かいます。ニコチン中毒者のK氏は,自治医大では喫煙所がいっかな見当たらないので激しく喫煙欲求が高まって爆発寸前です。ネットで調べると敷地内に喫煙用プレハブ小屋があったようですが気が付きませんでした。たまたま見掛けたHPではなんと自治医大駅のホームには喫煙所がある(あった)らしいのですが,気付きませんでした。駅の外の喫煙場所に人が群がっていたので,すでにホーム上からは姿を消してしまったかもしれません。  K氏がしきりに昼に食べたクリームコロッケとオムハヤシライスがうまかったと自慢するので,店だけでも見ておこうと案内してもらうとそれは駅のすぐそばのビル1階の奥まったところにありました。「キッチン花」というお店です。その目と鼻の先に「鳥八」という居酒屋があって,これが自治医大で見掛けた中では一番味のある店構えなので入ってみることにしました。われわれが口開けの客となりました。生ビールがタイムサービスで280円とお得なので,早速注文。焼鳥も盛合せでもらいました。店は女性一人で切り盛っていて混雑したら大変そう。コの字のカウンターをテーブル席が囲んでいて,けっこうな席数がありそうです。でも焼鳥は思いがけずもおいしくてついつい酒が進みます。偶然にもよい焼鳥屋に出逢えて幸運でした。ここらへんは自治医大の職員や学生のほかは都心から帰宅してくる客たちで遅くなってから混みだすのでしょうか。なんにせよ開店直後は空いてますし,ビールもお得でお勧めです。  それにしても個人経営の喫茶店をほとんど見かけません。唯一見掛けた(ただしお休み)の一軒がこれ。さほど魅力を感じませんけど。

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