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カテゴリ:板橋区
大山もまた、足繁く通っている町のひとつで、駅前商店街のハッピーロードに立ち並ぶ商店の隙間のような路地をくぐり抜けたところに突如として現れる呑み屋街の風情には、すっかり参ってしまい今では半分以上の暖簾はくぐってみたはずですが、ご多分に漏れず、この一画も高齢化がー店主も客もー進行していて、始終店が変わる店舗や店の灯りを消しっぱなしにしてしまう店舗もあります。今回はそんな町での役割を終えつつあるように思われる地域の踏切の向こう側で呑むことにしました。まずはそちら側ではすっかり町に馴染んだように感じられる立ち呑み屋からスタートすることにしました。
ご存知「晩杯屋」です。丁度昨日、武蔵小山の酒場について書きましたが、このお店の振り出しとなったのが武蔵小山です。ちょうど触れた駅前の再開発地区に含まれているようです。武蔵小山の次に大井町と大山というまさに東京の微妙に芯を外した、てありながら元気なエリアを制覇したと思ったら、先日、おしゃれエリアの中目黒に進出したらしいからなかなかにしたたかな経営者のようです。大山店は前述した通り、すっかり町の一部となったようで、このところ大層な繁盛ぶりです。この夜は、日曜であったにも関わらず、6時過ぎには椅子があるという2階席もすっかり塞がったらしく、仕事を終えたぼくと上司のT氏は、立ち呑みカウンターの客となったのでした。メニューを見た上司はスゲとポツリ呟くと揚物、焼物に視線を送る一方でぼくはかき酢に赤貝という贅沢ーここてはこのオーダーもけして贅沢ではないーに見を投じるのでした。この立ち呑み屋ならチェーン展開してもきっと通ってしまいそうだなあ。 ここで上司とは別れて一人もう少し呑むことにします。「六五郎」というお店を見つけました。線路沿いにへばり付くように立つ見掛けこそ新しいけど結構安普請らしい2階建ての2階にあります。嫌な予感がしますが案の定一人の客もいません。感じだけは良さそうなおばちゃんにお得なセットをお願いします。1杯目は生ビール。お通しともう一品を選んで、これで2品とはズルくないかい。まあ時としてセットを頼んでも無理くりお通しがつく店もあるからそれよりはマシかもしれません。ところが嫌な予感は的中し、レンジでチンされたキンピラー店の厨房から漏れ聞こえる物音に注意を向けると冷凍庫を漁っているらしき音が聞こえてきて、どうやらより古いのを選んでいるようですーのなんと冷凍庫とラップの臭気が染み込んで臭いことよ。とても食べられそうにありません。ふと思い当たったのが、ちょうど「晩杯屋」のあった場所でやっていた居酒屋がこんな感じでした。そう思い返すとそのお店、ここと同じ「六五郎」という店名だったような気がしてきます。そうなるとなんだか愉快になってくるのでした。そうなるとあの店にいたオヤジさんはどうなったのか、無性に気になりますがどうにも伺う気にはなれなかったのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015/02/11 08:45:40 AM
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