夜が待ち遠しい

2015/02/18(水)08:43

木場の酒場は、こんなものなのか

江東区(74)

 木場に来るとついついあの名酒場に立ち寄りたくなりますが、この日の夜はもうすっかり遅い時間であったので入れてもらえることもなさそう。そうなれは勝手もよく知らぬこの町ではありますが、かつて須崎パラダイスで栄えた古い町のことだからきっとまだまだ知られざる酒場があるはずです。この夜は獣医師のK氏が一緒です。年はかなり離れていますがとても仲良くしてもらっていて、呑むときは互いの自宅との兼ね合いから総武線や東西線の沿線で呑むことが多く、今回はそんなことから木場駅界隈で呑むことにしたのでした。そう言えば前回はお隣の東陽町で呑んだのでしたね。  ところがこの夜は ようやくここぞと言う店を見掛けても、 混み合っていたり休みだったりしてことごとく門前払いを食ったあとで、ようやく「えちご家」という酒場に入ることができたのでした。ビルの二階にある新しいお店で、出遅れたこともあってか店の方は何だか面倒臭いという表情あらわにあまり気分良くなく迎え入れられました。テーブル席ばかりの愛想の欠片もないお店です。窓際は窓に面してテーブルが置かれ窓越しに人通りも眺められそうですが、先客の残した残骸が手付かずのまま放置されているので、そこで呑むことは期待できそうにありません。まあ、しゃべる相手もいるのにあえて窓外をオッサン二人で眺めてみたところで詮無きことです。これと言った持ち味もない店ですが、ようやく安住の地を見出した気分なので思った以上に長居してしまったようです。何度か便所に通ったことだけは思い出せます。酒場の思い出こそ希薄ですが、K氏と過ごした一時は忘れがたい思い出として断片的ながらいまだ記憶に鮮明です。  もともとさほど酒の強くないK氏ですが、この夜は会話を肴に呑み過ぎてしまったようてす。木場駅に見送ってぼくは再び独りで町を彷徨います。やはり何軒かで振られた挙句、ようやく入れてもらえたのは「居酒屋 たつみ」というお店でした。こちらは一軒家で幾分新しすぎるきらいはありますが、先程よりはずっと風情のあるお店でした。長細いうなぎの寝床のようなお店で長いカウンターが伸びていますがそのカウンターには早くも一人の客もいません。店の方もそろそろ店仕舞いという様子でぼくの来店を消して喜んではくれていない様子です。静まり返ったカウンターに遠くから漏れ聞こえる馬鹿話を肴に呑むものの寛いでいる暇はなさそうてす。店の方は客たちの振る舞い伺いつつも早めに引き上げて欲しいというオーラが滲んでいます。そんな時は店の方の気持ちを察して早々に引き上げるのが上策と考えるぼくはこの先のことなど考えることもなく、的確なタイミングてお勘定することばかりに思いは至るのでした。

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