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カテゴリ:東京都その他
西調布にやって来ました。京王線の沿線であるこの駅で下車するのは初めてのこと。初めての町には興奮せざるを得ないはずなのに、どうしても良い印象がほとんどない調布のお隣ということもあって少しも気分は高まりません。でも酒場放浪記に登場した酒場があるというのでは一応行っておこうかと重い腰を上げたのでした。この番組の意味っていうのは良かれ悪しかれ、知らない町に人を走らせる役割をほんの少しだけ担っているところにあるのではないでしょうか。ともかくそうでもなければ来ることもまずなかったであろう西調布に降り立ったのでした。
駅を出ると素敵な呑み屋街がいきなりあって思ったより退屈しないで済みそうだぞとほくそ笑むのも束の間、あっという間もなく呑み屋街は途切れてしまいました。ここぞという酒場も見当たりません。まあ、この日目指すのは駅の向こう側です。喫茶店というよりはスナックそのものといった風の「ピエロ」を越え、踏切を渡ると程なくして目指す「金八」が見えてきました。三日月状の奇妙な形状の長屋の弧の外側にその店はありましたがなんとも無情なことにお休みのようです。こうした経験は嫌なくらいに積んでいるはずですが何度味わっても慣れることがありません。已む無く別な店を探すことにしました。 探すまでもなく良さそうなお店に行き当たることができました。「どびん」という店名を持つなかなかどうして味のあるお店です。長屋の弧の内側、その先っちょにあります。こういう造りなので店内も狭くてちょっと窮屈な席の配置となっています。でもそこはかとなく実力を漂わせるのがその品数の豊富なことと工夫が凝らされているのが一目瞭然なカウンターに置かれた大皿です。実際何気ない一品にも一手間かけていることが食に疎いぼくにも感じ取れるほどの品でした。先客が父娘―一人暮らしをする娘を出張に託けて様子を見に来た子離れできない父とそんな父を疎ましく思いながらも美味しい料理をご馳走してもらえるとなれば如才なく振る舞える今時の娘といった様子―と呑みよりも食の方に重点を置いていそうな方たちであったことも宜なるかな。次に西調布に来るのはいつのことになるのやらでも次はじっくり腰を据えて呑みたい酒場でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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以前、良くお邪魔していた「どびん」ネットには良く「接客態度が悪い」だのかかれていますが、ご兄弟お二人で忙しいだけ。良くお二人の微笑んだお顔も見られていました。
どびんでいただいた、日本酒、トマトのおでん、お刺身(のどぐろなど今まで食べたことのないお魚の数々)本当に美味しかったです。 私は以前、西調布に住んでおり、東北の大震災、3.11の日にも、夜中の電車でやっとのことで帰ってきた後にどびんへ伺いました。 記憶に残る美味しさってあるものなのですね。。 今、東京を離れておりますが、今度上京した際には、是非にどびんにお伺いしたいなぁともくろんでおります。 どびんがいつまでもなくならないように・・・心から願っております。 (2019/08/21 02:08:56 PM)
おとうしさん、はじめまして。
書き込みありがとうございます。返信遅くなり申し訳ありません。体調がだるだるでなかなか気力が湧かない日々が続いています。 「どびん」を行きつけにされていたのですね。大分以前にお邪魔したので記憶も曖昧でしたが、一人暮らしの娘さんを訪ねてこちらで夕食を取られていた父親の姿を鮮明に思い出しました。そうなんですね、ネット上で悪く言われているのですか、それは残念で悔しいですね。それでもネットの評価などお構いなしに多くのお店は変わりなく営業をしておられるのだから、そこに愛着を覚えておられる方が少なからずいると笑い飛ばせばいいのかもしれません。とはいえ、ぼく自身も一度訪れただけで不快な思いをしたとくさすことがあったりしますが、自戒を促される気持ちです。 ぼくにも東日本大震災の際の記憶はありありと思い出され、ぼくの場合は帰宅を断念せざるを得なかったのですが、やっとのことで地元に辿り着いた時に馴染み深い明りを目にした時の安堵と感慨は何ものにも代えがたい財産に感じられたことと推察します。ぼくなどが申しあげるのも不遜ですが、こうしたお店を大切にしていただきたいと祈念します。 (2019/08/24 08:28:03 AM) |