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カテゴリ:大田区
下神明駅は、東急大井町線の地味な駅で何度かこの駅の周辺を歩いたことはありますが、それは散歩の途中で通り掛かっただけで、あえてこの駅で下車したのはこれが初めて。大井町からぶらぶら歩いて来ることがほとんどで、歩いて通り過ぎると地続きのせいか特に変哲のない住宅街という印象でしたが、あえて電車でやって来て当の駅で下車してみると同じ風景を見ていたはずなのに全く違って感じられるのは不思議なものです。どう違って見えたかというと嬉しいことに寂れた町並みが一層寂れ方を際立たせていて、そこにある中華料理店などの飲食店が魅力たっぷり、風景にしっくり馴染むボロさが引き立つのでした。
間もなく戸越銀座商店街のアーチに行き着くというかろうじて下神明駅が最寄りと言えるかどうかの瀬戸際の場所に「お食事処 くるみ屋」はありました。サッシの安普請の引き戸に暖簾ばかりが立派です。外観と中身は全く印象を事にすることも少なくないのですが、こちらは期待通りのうらびれ方です。オヤジさんも何だかやる気があるんだかないんだか、気だるそうな商売付けのないような良い感じのダメ振りで、ビール頼んで呑み始めてもいつまで経っても定食が出てくる気配もない。それでも何やかやカウンターの内側と奥の死角となった小部屋を行き来してとりあえずは調理しているようです。腹を据えてビールを追加したりしながら待ち続けるのですが、この間ぬか漬だけでも先に出してくれれば良かったのに。待ちに待って出てきた野菜炒めと魚フライはごく平凡でしたが、そのぬか漬は浸かりすぎただけかもしれませんが絶品のお味。これか浸かりすぎの酸味とうま味調味料のなす術であることはお見通しですが、これをポリポリ齧りつつビールを啜れれば満足度がぐっと上がっていたはずです。しばらくしてもう一組、夫婦連れが訪れてさんま塩焼きを定食でもらっていましたが、われわれが店を出ても煙の上がる気配はないのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015/09/26 08:48:13 AM
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