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カテゴリ:東京都その他
昨日の三鷹の喫茶巡りに引き続き、酒場篇をお届けします。喫茶篇で三鷹との相性の悪さを大いに語らせてもらいましたが、酒場についても事情はさほど変わりません。これまでも三鷹の酒場についてはほとんど書いていないはずです。なぜって言うまでもなくほとんど呑んだ事がないということもありますが、指折り程度に訪れた店も朝方から呑める優良食堂など好ましい店もあるにはありますが、ほぼこの町の酒場事情は知らぬに等しい無知ぶりです。なので、当初は酒場放浪記に出ていた一軒に留めるつもりだったのですが、つもりでは済まなくなってしまったのです。三鷹には酒場がありました。それをホンモノなんて言うのは明らかにわざとらしい言いっぷりでありますが、ここら辺は語彙に乏しい者の下手な修辞と軽く読み飛ばしていただきたい。とまあ前置きはこの位にして早速三鷹の酒場について語ってみることにします。
いやあ、それにしても三鷹を知るには歩かないとならないようです。歩くことでしか三鷹の真の姿を見られぬという事もないのでしょうが、酒場放浪記に出た「鳥しげ 西久保」がこんなにも遠いとは思ってもみませんでした。しかもその酒場に至るまでの道程の退屈さときたら、途中何度も引き返そうと思う程です。大体行ってみたところで営業しているという保証はどこにもない。逆に駅から遠いということが地元客のために店を開けているかもしれぬという期待感だけが足を前に進ませます。ようやく辿り着いた頃にはすでに店はやっています。それが遠目にもハッキリ見て取れるようになると店先に並ぶ自転車に急に不安を感じます。自転車が店の前に並ぶ酒場は例外なく良い酒場であるとの確信めいたものがぼくにはあって、それは満更外れではないのですが都合よく都合の悪い記憶は改竄されていなくもなさそうてす。そんな事はどうでもいい、果たして入れるかどうかが肝心なところ。大丈夫でした。カウンターばかりでなく奥の卓席もほぼ埋まっていましたが、2人掛けの席が空いていました。一足飛びに結論を申し上げるとこちらのお店、大変に素晴らしい、近頃ハズレばかりの酒場放浪記でありますが、この酒場の存在を教えてくれた事には感謝します。テレビにでも出てなければさすがにここまで訪れようとは思いもしなかったはずです。もつ焼も旨いし、何より店主夫婦の人柄がとても良いのです。しかしここまではあまりに遠い。 当然まだ良さそうな店が見つかりそうなので、もう少しぶらついてみることにします。渋い団地があるなあとフラフラとハエ取り紙に吸い寄せられるように近づいていくと前面ガラス張りの呑み屋さんがありました。「もつ焼処 かわ乃」というらしいです。こういう団地酒場、好きなんですね。どうしてかって聞かれてもその理由はなかなか説明し辛い。一言で言うと何だか不自然なんですね。違和感があるんですね。だから当然入ることにします。店内は広々としているけど殺風景なのは団地酒場の特徴と言えましょう。とにかく内装に面白味や個性などというものは期待するのは間違いなことが多い。強いて言うならその不必要にオオバコなところや殺伐とするほどに飾り気のないところをあえて個性と捉えて楽しんでしまうことができれば、かなりの団地酒場好きと言えるのかもしれません。もちろんぼくは大いに楽しい。いつも思うのですが団地の一階にある居酒屋ーこういう形態のテナント形式を下駄箱団地と呼ぶようですが、もうちょっと気の利いた呼び方はないものでしょうかーには、どうしたものか焼鳥店が存外に多いのです。焼鳥屋のように盛大に煙を吹き出す業態がすんなり受け入れられているのは不可解極まりないのです。それにしてもお客さん入ってないなあ。卓席に夫婦一組とカウンターにスタイル抜群の美女一人だけ。ともあれ、急に冷え込んできたので日本酒をお燗して貰います。焼鳥を数串とトマトをいただく事にします。そして驚いた。250円のトマトは何だかグシャッとして見えましたが、これは品が悪いんじゃない、完熟のウマウマかつアマアマなんですね。フルーツトマトらしいのです。これは焼鳥も期待して良さそうです。期待以上でした。店構えに騙されてはいけない。ここは紛れもない良店です。もしかするとこの団地の上の階の人たちは無料でここの美味しい焼鳥を提供でもされているのではないか。もしそうならぼくもここの住民になってみたい、洗濯物が干せないくらい目をつぶる事にしちゃうでしょう。いや、ここのお値段だったらご馳走にならずとも自腹で十分通えるか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/05/09 08:44:29 AM
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