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カテゴリ:中部地方(北陸・東山・東海)
今年のゴールデンウィークはどうしたものか、正月の3度に及ぶ試練の日帰り旅を終えると気持ちは早くも遥か先に思いを及ぼすのでありました。GWは、毎年いかに過ごすかで迷いに迷って寸前まで行き先が決まらず、結局は杜撰なプランのみを携えて玉砕するということを繰り返している気がします。何よりこの時期に18切符がないのは辛い。金無し暇はそれなりに有りたいう典型的な日本のサラリーマンであるぼくは、ぜひ18きっぷをGW限定で売り出してもらいたいと思うのであるが、それは難しいのだろうか。なので今回はどこに行くかという最重要な決定を手頃な切符のある土地という基準から決定したのでありました。その行き先とは芸もなくまたもや新潟なのであります。
暦通りの職場なので前半は余裕がないので、旅程は後半に充てるしかないのでありました。自宅を出ると赤羽、高崎線高崎行、上越線水上行、長岡行と乗り継いで、越後湯沢駅で改札を抜けます。これは都内を拠点として列車旅をする鉄道ファンには常識なのだろうし、時刻表のダイヤを眺めれば一目瞭然なのでありましょうが、試行錯誤の末に越後湯沢駅で一旦下車して、えちごツーデーパス2,690円を購入するのが賢いらしいのです。その公然たる秘密は、超快速スノーラビットにあります。この超快速なる物々しい列車は、上越線、ほくほく線、妙高はねうまラインを経由して猛烈な俊足で新井駅まで連れて行ってくれるのです。当初は、複雑な新潟の路線図をいかに効率よく回るかで腐心したのですが、この乗り継ぎを見つけた途端にするすると絡んだ糸が解けるようにして行程が決まったのでした。さて、新井駅には10:41に到着しました。 新井駅周辺にはかねてから訪れたいと思っていた喫茶が何軒があります。しかしまあ今更ですが、GWではやってることを期待するのは禁物です。やっていれば御の字と己に言い聞かせていたから、いちいちやっていないからといってくじけることもありません。「コーヒーハウス パグ」(お隣に「美園」というスナックだろうか、素敵な建物もありました)、「ブレーメン」、「パーラー ルースン」と事前情報にあったお店はすべて休みのようです。特に「パーラー ルースン」は、ガラス語かに店内が見えましたが、シンプルながらクラシカルな雰囲気で良さそうです。でもまあ、たまたまろじを入ったところにある「パーラー ピッコロ」がやってたので満足なのです。これといって奇を衒ったところはありませんが、ユニークな配色が不思議と心地良いくつろげるお店でありました。それにしても何が面白いのか、地元のバア様がチラチラではなく、あまりにも不躾な真正面からの視線を投げかけてくるのがちょっとおっかなかったなあ。 妙高はねうまライン直江津行に乗り、高田駅にて下車しました。ここには随分昔訪れた記憶があります。駅前の「ティールーム さつき」はお休みで、その後もほとんど喫茶店らしきものは見掛けず、喫茶巡りとしての収穫こそなかったものの、思いのほかに広範な呑み屋街の猥雑さは愉快だし、国内でも最古参の映画常設館とかいう「高田世界館」など、かつての繁栄が察せられ町歩きとしては満足いくものとなったのでまあ良しとしよう。いつか呑み歩きをしてみたいなあ。 高田駅からさらに妙高はねうまライン直江津行に乗り込み、今度は終点の直江津駅にて下車しました。ここは高田と違って区画整理の行き渡らぬゴチャゴチャとした町並みでそれがまた楽しいのでした。「パーラー・オオタキ」には、ほんのわずかに滞在できただけでしたが、この後、予定を変更して再び直江津に引き返し、しばらく滞在することになるのだから、もう少しゆっくりすればよかったと悔やまれます。 直江津駅からは、日本海ひすいラインに乗車します。目指したのは終点の糸魚川駅です。先般駅前の商店街が大規模な火災にあったらしく物見遊山で訪れるのは躊躇われなくもなかったのですが、実際に降り立った町は、通りすがりの者の目には早くも日常を取り戻されたかのように見えます。随分前に来たきりの思ったよりずっと狭い焼け跡は痛みより再生への希望のようにも感じられると書くと誤解を招きかねないでしょうか。なんてことを書いておきながら仕切られた土地につい先日まであった飲食店なんかの姿を思い浮かべないでいられないのでした。 そんな町の外れに「コーヒーハウス チロル」はありました。外観はかなりの年季を感じさせますが、店内は極めてオーソドックスな生真面目過ぎるくらいの店でありました。個人的にはご自分の店なのだから客に迎合したりせずにもう少し自由に想像力を羽ばたかせても良いのではないかと思わぬでもないのですが、案外こうした正攻法こそが最良であるという判断によるものとも思われ、やはりたかだか通りすがりの者でしかないぼくなどが、偉そうに意見など述べるものではなさそうです。 さて、ぼくは楽なことが大好きなのでエスカレーターは大好きです。この糸魚川駅には贅沢にもオーダーメードー多分ーの水平混合式エスカレーターがあります。メーカーや型式まではともかくとして、螺旋式エスカレーターなど特殊な形状のものはぼくも大好きなので備忘として留めておきます。 さて、本当であれば、日本海ひすいライン直江津行で梶屋敷駅に移動して、「古麻樹」という喫茶店を訪ねるつもりでしたが、夕闇が迫り気分も身体も飲/呑むものの変更を欲望しているようです。予定を変更し直江津駅まで引き上げることにしましょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/07/30 08:30:06 AM
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