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近頃、登場回数の増えている京王井の頭線の今回は東松原駅に降り立ちました。井の頭線が苦手とか言っておきながら、東松原駅からほど近い古い居酒屋に向かうのはこれが三度目なのです。店名に「三」の文字が含まれるから、三度目の正直とか言ってみるつもりはありませんが、事実過去の二度は時期も確かに良くなかったのですが、お休みという残念な事態に見舞われたのです。今回は、お盆前―もしくは後だったかな―の土曜日という実に危なっかしい日取りに加えて、人数が4名ということもあって悪条件が倍増しているのだから、今思うと随分と無謀な試みだったなあと思い返すのでした。でも今回はなんとか入店できたのだからそれでいいのであります。でも目指すお店が目の前に迫った時でした。駅とは逆の方から、美女2人組が不意に姿を現して、足取りの重いオヤジグループを嘲笑うかのようにして店の前に立つのでした。お二方は顔を見合わせ意を決したかのような表情で店に入っていかれたのですが、その躊躇する間にわれわれが割り込める余地は確実にあったはずであります。しかし、そんな無法な真似はできるはずもないのでした。でもありがたいことにお二人はカウンター席に通されたようで、われわれは首尾よく小上りの客となりおおせたのです。
念願仲ってお邪魔した「お酒 小料理 三木松」ですが、店は高齢の主がお一人で切り回されているらしく、とりあえずの酒を頼むとあとは手の空くのをのんびり待つしかないのです。でも機会を見つけて何か注文したはずなんですが、不思議なことにそれが何だったかまるっきり失念しているのです。ここは肴の旨さをどうこうするようなお店ではなかったのだと思います。とにかくこの古びているけれど、オンボロということもなく、賑わっているけれど喧しくはない、酒を呑むには恰好の空間さえ記憶に留めればそれで満ち足りていると思えるような、そんなお店なのです。ここでは、いつもはせかせかと呑んでは、堪能したとはとても言えぬような性急さでハシゴしてしまうのですが、ここでは四人が揃っていい気分になるまで、わずかの肴を啄みながらゆっくりと昔話などをして若かりし日を振り返りながら、酒を酌み交わせばよいのであります。記憶がないからそんな出鱈目なことで誤魔化そうとしているのだろうと、追及されたならそんあことはないと断言しきれるほどの自信はないけれど、今、思い出されるのは忙しくもスローなペースで店内を切り回すご主人の姿ばかりであって、その頑張りは年長者には失礼ながらも健気にすら思えてきて、思わず手を貸したくなったのだけれど、そうはしなかったのはオヤジさんの老いてなお気丈に孤軍奮闘する姿に自負を見ると同時に、ずっと眺めていたいという可愛さを感じたのだと思います。あと何年続けられるか知る由もありませんが、ぜひご健勝で少しでも長く店を開けていてくれることを願ってやまぬのです。なんてこれをアップしようとして写真を貼り付けていたら立派なマグロとタコの刺身のお通しも食べてますし、厚揚げもいただいたみたいですね。前言撤回で、肴も立派でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/09/20 08:30:10 AM
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