夜が待ち遠しい

2018/01/11(木)08:30

竹橋ではビル地下酒場が花盛り

千代田区(65)

都心の中でも特に竹橋となると、酒場巡りには不向きな町という印象がありますが、さにあらず、人のいるところに酒場ありな訳で、しかしやはりそこは都心らしく独特な呑み屋街を形成しているのでした。といかにも早速に本題に突入するかに思わせて肩透かしを食わせるというパターンを踏襲するのであります。またもや思い出話に花を咲かせることになるのは至極恐縮ですが、ぼくにとっての竹橋は毎日新聞でもなんでもなくて、東京国立近代美術館なのであります。これは意外なことを言いだしたなと慌てることなかれ。今は京橋にあるフィルムセンターが1995年のリニューアル前の一時期に竹橋の同館にて上映会を催していたことをご記憶の方は少なくなってしまったかもしれません。もともと京橋のフィルムセンターは1970年にオープンしたらしいのですが、1984年にフィルムセンター収蔵庫から出火しており、つい今しがたまでてっきりこの火災によって建替えを行ったものと勘違いしていました。実際には1991年に老朽化に伴っての建替えとなったのですね。ということは1991年から1995年に掛けて竹橋に通っていたということになるようです。さて、こんなウィキペディアで検索すれば分かる事実はともかくとして、思い出深いのが幻の名作として知られた『忠次旅日記』が復元され上映されたことです。復元後の上映会は新聞に掲載されたりニュース番組で放映されたりと大変話題になったものですが、若かりし頃のぼくもそんな熱狂の渦に巻き込まれて駅まで続かんという程の長い行列の一端を担ったものです。さて、そんなだから竹橋は今でもぼくの記憶の中では映画の見れる町という印象しかなく、後は横目で通り過ぎるだけの毎日新聞東京本社のみが印象に残っていて、町を歩いていても酒場をついぞ見掛けることもせず、いつしか足が遠のいていたのでした。  そんな竹橋とは無縁の生活を送ってきたぼくが再び足を向けたのは喫茶店巡りの熟練者であるお馴染みの方のHPを拝見したからです。毎日新聞東京本社のあるパレスサイドビルディングに「ティールーム 花」があるというのです。そうだよなあ、あれだけの規模のビルだもん、喫茶店の一軒や二軒が店子でいたって不思議じゃないよなあ。なんて訳であまり気乗りはしないのだけれど行ってきました。これが思いの外に良かったのですね。家具はウッディな感じであまり好みではなかったけれど、壁に貼り付けられたタイルのモザイク画がなかなかカッコいいのです。古いビルの喫茶店にこうしたセンスの良いデザインが多いのはこうした複合ビルが建設ラッシュの時代の勢いを反映しているのでしょうか。この喫茶店、見つけるのに少しばかり難儀してしまいました。裏通りにあったのですね。ビルの住民に伺っても埒が明かず根性で探し当てることになりました。ビルの外の看板では9階にあるような記載もあって9階まで行ってしまいました。しかしまあここのビルはそれ自体がカッコいいですね。迷子になって正解だったのかもしれません。エレベーターホールなんて痺れるばかりだし、便所すらがスタイリッシュでこんなビルで働けるサラリーマンが羨ましい限りです。  そんな感じで迷子になりながら地下なども歩いてみたのですが、多くの飲食店んもあって、酒を呑ませる店も多いようです。お得な晩酌セットなどを提供するお店もあり目移りしますが、なんかごてごてして如何わしげな「コイン酒場 百人亭」にお邪魔することにしました。食券式のお店であるだけでなく、酒も硬貨で量り売りしているのですね。たまに見かけますが、それなりに楽しくて、余興程度には目新しいです。本日のお勧めはカウンターに自分で取りに行く式となっていて、マーボー豆腐など指さしてしまいました。しばらくしてチンされたそれが運ばれてきたのですが、味はまああえてどうこういうようなモンではなかったかな。他の品も似たようなものでしょうが、乾き物をサービスで出してくれたりちっちゃなサービスだけど気が利いています。店のお兄さんたちも面倒見がよく親切で好感が持てます。こんなビルで働けるサラリーマンが羨ましい限りです。いやそれ程でもないかな。

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