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カテゴリ:江戸川区
近頃、どうにもボーッとしてしまってイカンのです。ボーッとしてイカンではなんの事やらさっぱり分からないでしょうし、それでも事情が分からないなりにはそりゃボーッとしていちゃよろしくないという程度には分かるというものです。もともとぼくはいつも半ば夢うつつという具合な生態であるからして、殊更にこんな事を言い出すにはそれなりの蓋然性があるのです。そんなボンヤリ症候群気味なぼくでも、呑みの準備に関しては万端怠らぬつもりでいたのです。行きの乗継、帰りの乗継は当然の事に、駅から目指す酒場までの経路も大概頭に叩き込んで置くものです。まあ、最初の店は手堅く行くけれど大概の場合、2軒目からは無策で通そうとするから殆どの場合は当初念頭に置いていた予定を裏切ってしまうのであるけれど、とにかく呑み出す前からボーッとなっていることはそう多くはないのであります。この夜は近頃ちょくちょく足を伸ばしている葛西に向かったのであります。この場合行き先が必ずしも葛西でなくとも話の妨げになりはしないのであるけれど、ともかくこの夜は葛西に降り立ったのであります。さっきの発言が虚しくなるけれどこの夜は行き先は全く決めていなかったのである。あるのだけれど、折角運賃を支払ってまで葛西に来たのだから、少なくとも2、3軒はハシゴしたいところであります。まあ、初っ端は駅前の宿題となっていた立ち呑み屋から始める事にしたのです。とここで段落を切るつもりだったのですが、諸事情により途切れ途切れに文章を書いたので話しが前後せぬよう調整することにします。この夜の財布が千円札一枚と小銭だけだった事をここで述べて置かぬと次の段落に繋がらなくなってしまうのです。
最初に高架下にある「立ち呑み 島ちゃん」にお邪魔しました。奥行きが浅く幅が広いといういかにも高架下のお店といった造りはちょっと楽しい。細長いカウンタースペースと小部屋風のスペースに分かれます。当然、独りならカウンターがしっくりときます。さあてと酎ハイと目の前に置かれた大皿で残りわずかとなっているナポリタンを頼みました。するとチケットお持ちですかと店の女性に尋ねられます。げげっ、何たることかこちらはチケット制だったのね。最初に千円分のチケットを購入するというシステムのようです。ぼくのように毎夜店を決めずに流離うタイプの酒呑みにとってみるとこういう仕掛けは非常に窮屈な印象を受けてしまうのです。実際、職場の行き帰りの区間内の某立ち呑み店でもチケットを購入したことがあるのだけれど、結局使いきれずにそのままになり結果なくしてしまったことがあります。だからここは使い切るしかないのであります。ってまあ千円分ならあっという間なんですけど。早速チューハイをグビリとやってナポリタンを摘まんでみる。残り全部を持ってくれたせいか量もあって旨いなあ。そもそも茹でて炒めてくったりしたナポリタンであるけれど、追い打ちをかけるようにレンチンしているから得も言われぬ触感となっているのです。しかしナポリタンはどんなコンディションであっても旨いのです。というかまずいナポリタンがあるとすればそれは市販のレトルト食品がそうである位で、適当な分量でちゃんとケチャップで味付けしてあるなら多少というかかなり出鱈目な分量であっても旨くなるのです。だからこれさえあれば酒の肴はいらぬから、サワー類を4杯でちょうど千円となるから良い塩梅であります。残金を考えるとちゃんと呑んでおくに越したことはないのです。でもナポリタンで食の勢いがついたぼくは愚かにももう一品を注文。これが何であったか写真では判断がつかぬけれど、非常にうまかった記憶はあります。しかもこれもラストだったようで、またもたっぷりと盛り付けていただけたのでありました。 きっちり千円を使い切り、財布にはもう小銭しか残ってはいませんでした。東京都メトロの東西線名物の葛西メトログルメ・ショッピングセンターに「づめかん」があることは前々から知っていましたが、なかなか訪れる機会が持てずにいたから一杯だけでも呑んでおきたい。「づめかん」なら安いから2杯はいけるかな。とセンター内に潜入、すると「せんべろ立呑み 酔いどれ」がありました。へえ、こんな店もあったのかと一応値段を確認し、「づめかん」並みに安いことが分かると勢い込んで店に滑り込むのでした。が、のっぺりと広い空間はなんだか所在ない心持になるのでありました。改めて財布を確認するとどうやら2杯1品でいけそうであります。ハシゴして5杯呑めてしまうのだから葛西の立ち呑み環境はなかなかに充実していると言えるのではなかろうか。都心部の立ち呑みはどこか落ち着かない感じがするし、郊外の町だとそもそも立ち呑み屋がなかったりもするのであって、この都心と郊外の中間地帯であるこの立地の絶妙な場所に葛西は位置しているということかもしれません。自宅まではSUICAもあるし、安心なのですが、それでもやはりほぼ空っぽになった財布のみではどうにも心許ないのは致し方ないのであります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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