|
カテゴリ:北区
田端の坂を上るのは憂鬱です。いつもは坂を下って呑みに行くのですが、必ず駅に引き返してくるから結局帰りには坂を上ることになるわけです。だから先か後かというだけの問題なのでありますが、ぼくの場合は先に坂を上りきっておきたいと思うのです。ぼくは、先に面倒を済ませておくことを性格的に好むからであります。でもこの田端においては、先に坂を上るのが面倒でならぬのです。それは退屈な坂が結構長く続くからで、動坂下の交差点まで来るとかなりうんざりとしてくるのです。そして、そうなることを予め想定できるからこの坂道を歩くのはとても憂鬱なのでした。
とても普通でありながらここ「ペントハウス」には何度もお邪魔しています。夜になると殊の外、店内の様子が透けて見えるわけで覚えていてもおかしくないはずなのに余りにも普通なので、すでに来ているかが判然とせず、またこの坂を繰るのが億劫に思えて一応入るということを繰り返しています。それも今回でお終いになると思います。次来る時にはノルマといった思い足枷を取り去って、軽い気分にお邪魔することもあるかと思うのです。 そんなすぐそばに「長寿庵」はありました。非常に薄暗い照明が灯っているだけなので見逃してしまうところでした。というかこれまで「ときわ食堂」やら「動坂食堂」なんかにお邪魔した際に限らず何度も通っているはずなのに存在を認識しかねていたのだからもしかするととんでもない失礼を犯していたかもしれません。ともあれいそいそと入店。やはりとまたも失礼なことを思いつつやはりお客さんはおりません。品書をぐるっと見渡しても酒の記載はなくてやっちまったかと軽い後悔を感じつつも一応女将さんにお酒はないかと確認します。おっ、やった冷たいのと普通のとどっちになさいますとのこと。冷酒と常温の清酒があるのだな。当然安かろう後者をお願いすると1合瓶で提供されるのでありました。お新香が添えられているのがうれしいですね。テレビを眺めつつのんびり何を食べるかを物色します。酒の肴はこれといってないけれど、不思議なことに野菜炒めがあるのですね。板わさとか蕎麦みそなんかもないのにこれは珍しい。でも腹いっぱいになるのは避けたいので、大人しく中華そばを頼むことにしました。お酒の追加も忘れないでね。で、登場した中華そばが写真からも見て取れるかと思いますが、蕎麦屋のそれとは一線を画するような濃厚そうな少し白濁したスープなのです。でも口に運ぶと案外すっきり呑みやすく、血圧のことも気になる年頃ですが呑み干してしまうのでした。麺もなんていうかむっちりと食感に厚みがあって旨かったなあ。勘定してみたら気になる酒のお値段は350円でありました。こりゃいいや。今度は野菜炒めで一杯やってからまた中華そば系を試してみたいです。 でもやはり最後にはせっかく登り切った道を辿り、駅を通り越しさらに下っていつもの立呑みに立ち寄ることになるのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019/11/16 08:30:07 AM
コメント(0) | コメントを書く
[北区] カテゴリの最新記事
|