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カテゴリ:千代田区
近頃、少し神田が好きになった気がします。もう結構な以前の事になると思うけれど、週に一度行くか行かぬかという適度なペースで呑みに通っていた時期がありました。いつしか神田の騒々しくて仲間内の呑み会といったグループ呑み連中の多さに、職場と地続きのような息苦しさと憐れさを感じるようになって以来、めっきり神田に立ち寄る回数は減ったのだけれど、まあぼくの性癖でもありますが、思い出したら麻疹のように繰り返し出向くのでした。ただし、同じ神田でも出向く方向性は徐々に変化してきたように思います。最初は呑み屋が密集したメインストリート、次にガード下、今ではオフィス街に紛れるように忘れ去られたような酒場を好むようになりました。この夜出向いたのもそんなわびしいオフィスビルの地下にありました。
古い雑居ビルの地下に「ふるさとの味 居酒や 車屋 神田南口店」は、あります。地下街にもその規模の程度次第で興味の持ちように変化が生じるものです。もっとも関心があるのはやはり、新橋駅前ビルのようなちょっとした迷宮のような地下街に魅力を感じるのは間違いないけれど、余りに規模が大きいと必然的に人も多く集まるわけで、見掛け上の愉快さに比して現場は窮屈なことが多かったりするものです。ぼくが近ごろ好きなのはせいぜい5、6軒程度の小規模な地下飲食街です。店子が抜けて歯抜けになっていたりするのも寂寥感があっていいものです。こちらのような地下にテナント1軒だけというのは少しばかり物足りなさを感じさせますが、ここのように古いビルの地下だと味わいは格別なものとなります。店内に入ると奥が全面鏡張りになっており、店内を広く見せる演出なのだろうとは分かるのですが、店内が若干ごちゃついているせいかさほど上首尾な効果がもたらされているとは言えないかもしれません。それはともかくとして、この居酒屋、チェーン店なのかどうかは知らぬけれど、とても懐かしい気分に浸らせてくれます。肴の定番なところにも惹かれます。定番が揃っていることを喜ぶのもどうかと思うけれど、余り迷わずに済むところが有難いのです。そして、こちらで取り分けお勧めなのがハムカツであります。たっぷりサラダにゴツイカツが4枚も付いているので、一人だと当然持て余すこと必至です。しかも値段は400円だったかな。ここは明らかに職場の仲間などで連れあってくるようなお店です。とても独りでは食べきれません。そういやカウンター席は荷物置きと化していますね。近頃、職場の人と呑むことが少なくなったせいなのが、どこか回顧的な気分になった所以かもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019/12/05 08:30:06 AM
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