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カテゴリ:板橋区
東武東上線の中板橋は、ちょくちょく訪れているけれど駅のそばより駅から10分ちょっと歩いた辺りの方が地方の町っぽくて愛着を感じます。愛着を感じる位好きだったら、早々と地方に越せばいいじゃないかという指摘もあると思うけれど、それは断じて違うのであります。都内、それも特に板橋区辺りには地方の商店街のような通りがぽつりぽつりとあるから、中板橋に限らず適当な路線の気の向いた駅で下車して、歩いたことのない方角目指して歩いてみれば、見落としていた町並みに巡り合うことも少なくないのであります。
いつ来ても休業中の貼り紙がある「アポロン」や2月から営業を再開すると仰っている「鳥彦」のあるパステル宮の下、中華飯店「八千穂」のあるえびす通り商店会、さらに歩いている石神井川と環七の交錯する付近の商店街を冠してはいないような宅地に平然と「串焼 けやぐ」、「北むら」、「小ふみ」なんかの呑み屋や蕎麦屋なんかがあるのでした。 「幸ちゃん」もそんな石神井川のすぐそばのお店です。でも川べりの店というような情緒もないからどうしてここにとりわけ惹かれたのか我が事ながら不可解なのです。よくあるといえばそれまでのごく普通の居酒屋です。周辺の他店の方が見方によってはよりぼくの好みに近しいといえなくもなさそうです。どこかでやはり中華飯店とか蕎麦屋よりも居酒屋の雰囲気を求める気持ちが嵩じていたのかもしれません。店主のみしかおらぬ店に入るとカウンターの隅っこの席に腰を下ろし、ウーロンハイを頼むと切り干し大根の突き出しが運ばれます。焼鳥はレンジでチンだがそんなことは構うことはあるまい。焼き上がった品は冷凍焼けもなくてフロン臭くもないから文句などあるはずもないのです。そのうち近所の仲間たちが集い始める。家族もいるらしいのですが、家族以上に付き合いも深いようで時間さえあればここに集ってこの先の遊びの相談に余念がないのでした。ご無沙汰なんて入ってきて、昨日の夜も会ったじゃんみたいねノリね。ぼくにはそういうのは向いてないけれど、時折羨ましいなんてことを思ったりするのもこうした地元密着のお店の功罪であります。ちなみにこちらのご主人、お代わりする度にいちいち席まで酒を運んでくださって親切な良い方だったのですが、幸ちゃんではなく本当は栄ちゃんなのでした。お客さんには幸ちゃんって呼ばれてましたが、どうしたことでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/02/21 08:30:07 AM
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