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カテゴリ:足立区
牛田には、ひと頃矢鱈と通い詰めた時期がありました。まあ、牛田も書きはしたけれど、改札の向かいは京成本線の京成関屋駅だし、実際にはJRの北千住駅から歩いて向かうのだから、訪れる土地のヴァリエーション工作とでも理解くだされば宜しいかと思うのです。でも牛田でも京成関屋でもちょいと歩くが北千住の奥地と思っていただいても少しも差し支えないけれどとにかくこの界隈のことは、妙に好きなのです。どこがどう好きかと問われると絶句してしまうのでありますが、じゃあ住みたいと思うのかと問われたらそういう意味ではないとまったくもってはっきりしない。好きなものは好きというトートロジーは御免だよと言われるとそれも違うと反論したくなる。例えば、川が近いとか、路地がうねっていて迷路のようだったりとか、住宅街にぽつねんと店があったりするなど好きな要素はいくつもあるのです。でもそれが住みたい要素となるかと言われればそんなことはないし、じゃあ好きなものかと言われればもっと面白いエリアもある気がしてくる。とにかく何となく好きで気になる町のやはり住宅街のうねうねした路地の奥にある中華飯店を訪れたのでした。
以前、脇を通り抜けただけだった「中華料理 建龍」を見つけるのに雨中しばし迷ってしまいました。以前と書いた以前はもう5年以上は経っているのでありまして、この界隈の複雑で入り組んだ道を歩くだけでも危険なのにもともとが朧げな記憶を辿っているのだからそれもまた当然であります。でもまあ案外あっさりと発見に至ったのは幸いでありました。酷い雨だったので、長々と歩き回るのはやはり憂鬱なものです。外観のごちゃごちゃした風情を味わう暇もなく、店内に滑り込むと常連が店主と親しげに話しこんでいます。小上がりという気分でもないとなると彼らの間をすり抜けねばならぬのですが、すぐに店主は厨房に引っ込んでくれました。その席には立派な座布団が敷かれていたから古株の常連が来たりするんじゃないかとも思ったけれど、気にせず腰を下ろすのでした。さっそくウーロンハイを注文。さて、何を摘まもうかなと思ったら、女将さんが出前の皿を下げにいっていたらしく、戻るとすぐに今晩大雨になるのよなんて仰ってる。そりゃたまらんなあと思っていると、ご主人が、それじゃあもう閉めちゃおうかなんて言ってるから、これは長居はできんともやしそばを注文しました。大根煮付けでウーロンハイを啜っていると、あっという間にそばが届きます。とろとろ系でないのが残念ですが、野菜たっぷりなのはうれしいところ。薄味のさっぱり系で、しかも量も多いからすっかり腹いっぱいになりました。するとそこに会長だったか社長と呼ばれる常連も登場。なんだ、この様子だとすぐには店は閉まらないだろうなあ。でも早く帰れよと天気に促されていると思って引き上げることにしました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/02/26 08:30:06 AM
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