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カテゴリ:葛飾区
新型コロナウィルスのせいという訳ではないけれど、極力人混みは避けたいものです。今いる場所が仮に都内でも有数の賑わいで、そこにいる事を想像するだけでも充分に憂鬱な気分に己を陥らせるだけの効果があるのです。そんなに雑踏を避けたいなら幾らでも身の振り方はありそうなものだけれど、逆に人の姿を全く見ないというもの切ないという我儘な感情もあるのです。でも新宿だって渋谷だってそうだけれど、都会の混雑エリアの虚をつくようにここは本当に大都会の光景かと目を疑いそうになるような人気もなくうらびれた場所があるものです。むしろ再開発の進む小奇麗な町はそうした場所が奪われて久しい気がします。大都会のど真ん中であるからこそ開発に取り残され置き去りにされてしまったエリアがあるのだと思います。そんな場所に相応しい名を与えてみたくもなりますが、もしそんな事をするとそこは大都会のどこか見えそうで見えないという役割を終えてしまうような気がするのです。さて、池袋にもそんな場所が残されています。というか池袋という町には存外そうした場所が少なくないのです。
この夜向かったのは、駅の東口側、夜の遅くない時間であれば地下から西武百貨店と三省堂を抜けて地上に出るのがお勧めです。そこはもう池袋の東西を接続するビックリガードでありまして、その手前には特に外国人観光客が深夜まで行列を作る事で知られるラーメン屋があるのだけれど、そこは急ぎ足ですり抜けてすぐさまに横断歩道を渡って頂きたい。そのまま明治通りを目白方面に歩いていくと途中いくつかの脇道があるので、覗き込んでみて頂きたい。どこまでも暗いばかりのハズレばかりだけれど、ことさらわびしい横道の一筋の奥には赤提灯も灯っているし、俄に複数の飲食店が軒を連ねているのも見ることができます。この路地は案外奥のほうまでゆるゆると伸びており、飲食店もぽつりぽつりあるのだけれど、ひと先ずの終着点にひっそりと「ラーメン 福や」はあります。サッシのガラス引き戸の殺風景な店構えに何度かは引かれつつも素通りし続けていました。でも入ってみると思ったよりずっと庶民的でくだけた感じの憩いの空間なのでした。それもそのはず、先客4人みなが一杯やっているのです。みなさん顔見知りらしく楽しくやっています。食券機で焼酎の食券を購入し、焼酎のロックを頼んだら店のママさんがえっ、て顔をなさってました。常連さんはそれぞれ好みの割物があるようです。ポテサラが添えられているのはうれしいなあ。ラーメンはいわゆる東京とんこつ風で、久しぶりに食べたけれどたまにはこういうのもおいしいなあ。お値段も600円とお手頃。何事もこれだと決めつけるのは世間を狭くするようです。お隣の頼んでいた野菜炒めはホワイトボードに記載された500円のものだろうか。それだとしたらとんでもない量だなあ。こういう町外れの静かな場所にある店でゆったり過ごすのも素敵だなあと思うのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/02/28 08:30:06 AM
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