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さかまたつみ
みなさんこんばんは、ようやく待ちに待った夜が来ました。今日も無事夜を迎えられたことを喜びつつ、今歩いている土地やこれから向かう場所、そこで見聞きしたことや思い浮かべたことあれこれを綴っていきたいと思っています。
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呑みを目的として、上中里に出向くのは相当なリスクを念頭に据えておく必要がある事は分かっていました。というか、この夜は欲をかいてしまい、以前目撃した喫茶風のお店に立ち寄ってから、何とかして呑みにもありつこうという算段だったからより多くの困難が予想されて然るべきだったのです。それなのにどうしたものか、上中里に足を向けようという時はいつだって楽観的で足取りも軽くなってしまい、意気揚々と現地に赴く事になるから余計に無駄脚踏みが加速するのです。訪れた事のある方なら賛同頂けると思うのですが、この界隈は都心から至近であるにも関わらず都会のエアポケットのような土地なのです。比較が適当か自身は持てないけれど、どことなく皇居のようにも思えるのです。実は東京の都心部にはこういうエアポケットが少なくないかも知れません。ともかくかつて見掛けた喫茶風店舗を求めてそう広くもないエリアを記憶だけを頼りに探し求めるのですが、どうしたことか一向に見付からぬのです。そんな諦めモードへと移行しつつある時に出会ったのがお好み焼き店であったのです。
店の名は「てこ亭」とあります。開店当初はそれなりの意気込みがあったんだろうと思われるけれど、その後さして手入れをすることもなく経年の劣化のなすがママに時の経過に任せてきたであろうかと思わせる、どことなく自身の人生とも似通った物悲しさを呈しています。お好み焼きかぁ、嫌いではないのだけれど腹に溜まるから出来れば避けたいところだけれど、選り好みする余地は界隈では望み薄に思われるので、思い切って入ることにしました。店に入ると、うんうんいかにもな関西風のお好み焼屋の風景であります。それもぼくがガキの時分に暮らしていた和歌山の片田舎にあるようなうらびれたものに似通っているのです。雰囲気を盛り上げるように客層もくたびれた老人たちばかりで各テーブルはカップル、ピン、ピンと合い席をお願いすることになるのでした。彼らは互いに積極的に言葉を交わすということもないし、一番年少と思われる店主も言葉少ない方でありまして放映中のテレビ番組に時折誰かが反応し、それに同意したり意見を述べたりとテレビを介して会話が成り立つのでした。まあ、多くの家庭がそんなもんだと思うと他人ばかりの飲食店なんだから多少の距離感があっても不思議ではないななんて風に思うのでした。さて、核心へと移行しますが、彼らが何を肴に呑んでいるかでありますが、誰一人としてお好み焼きなどを頼んでいる方はいはしなかったのであります。向かいのじいさんは梅干をなめなめチビチビと酒を呑んでいるのでありました。ここは頼めばお好み焼きも用意してもらえるようですが、それよりはもっと普通の酒場らしい品、例えば曰くありげなカップルの元には実に旨そうな色合いのマグロブツが運ばれていったのでありました。ぼくはヘルシー路線ということでアスパラなんぞを注文してみたら、ゆでるか焼くかを選択させられて、好みに合わせて調理してくれるというのも悪くないと思うのでした。人との交流も希薄でありますが、なぜだか濃密な場と時間をあてがってもらったようでなかなかに満足度の高いひと時を過ごさせていただきました。
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Last updated
2020/04/01 08:30:05 AM
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