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カテゴリ:文京区
江戸川橋駅の南東に地蔵通り商店街という下町っぽい商店街があって、入口のところに通りの名にするにしては、少し物足りないサイズのお地蔵さんが祀られています。この商店街は商店よりも飲食店が幅を利かせていて、その点でまずはぼく好みといえるだろう。そんな商店街のほぼ真ん中でありながら、そうは思えぬようなしょんぼりと寂しい様子で健気さすら感じさせる佇まいで、その筋に興味を抱く者は無視などできぬ古い中華飯店が存在するのです。そんなだから当然のことにぼくも以前から注目しておったわけです。注目していたならとっとと行っておくべきと思うのだけれど、今時350円のラーメンを食べさせてくれる、地方都市では稀にこの値段は見掛けるけれど、都心でもかなり中心に近いこの場所でこの価格はやはり驚愕なのであります。会津方面のチェーン店などまあ実はもっと安く食べられたりもするのだけれど、それを言ってしまってはお話として面白くならぬのです。
「善の家」は、その筋の方にとってはきっと定番のお店のはずです。で町中華としての魅力に加えて、あると同時に価格面での魅力も備えているから、中休みを挟んでの夕方の部の開始と同時に駆け付けるべきと思っていたのです。だからそう思い込んでいたから仕事を終えると一目散に駆け付けるはずだったのだけれど、諸々の事由によりそうもいかなくなったのでした。それでも可能な限り急いで辿り着くと、通りからいかにも町中華然とした佇まいを愛でる暇ももどかしく店内に飛び込むのです。何度か店の前まで来ては営業時間を外していたのか、その度に未練たらしく店内を覗き込んだ印象では、カウンターだけの奥に深い造りと思い込んでいたのだけれど、実態はカウンター席が10席に満たぬ代わりに卓席が2つの極めてオーソドックスな構えでありまして、でもこれはこれで大好きなのでした。そして意表を突かれたけれど、先客はお一人だけです。安心して卓席を使わせて頂くことにしました。おお、確かに通常の品書き以外にサービス品としてのラーメン価格の記載もあります。でもそちらも気になるけれど、ここの素敵なのは酒の肴により相応しい品も充実していることです。町中華で呑むのは当然好きだし、どうも世間的にも流行りつつあるようだけれど、一つ難を挙げると単品の料理が餃子などの定番以外は概して高額である事です。餃子すら500円とかする場合もあるので、そうなるといわゆるセンベロなどはかなり至難という事になります。でもここの単品の値段ならセンベロも出来なくはなさそうです。まあ、そうはせぬのだけれどね。だってここは値段もそうだけれど何より居心地がいいのだ。先入観で混雑していて落ち着けぬと思い込んでいたものだから、こんなにゆったりできるとは大いにくつろがせて貰いました。それでも一つ難を挙げると、空調が効き過ぎでちょっとばかり暑かった事ですが、そんな事はさしたる瑕疵ではないのです。あゝ、近所にあれば良かったのになあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/04/02 08:30:05 AM
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