夜が待ち遠しい

2020/10/16(金)08:30

金町の移転後の老舗もつ焼き店

葛飾区(194)

たった3駅間をつなぐだけの京成金町線の始発駅、京成金町駅の小さな踏切を渡るとそこは金町栄通りというのがあって、実際のところこの通りの名称が正式なものかどうかは知らぬし、厳密な意味で通りの名にどの程度の公式性があるのかも分らぬけれどまあそれはともかくとして、この通りはけして密集しているとまでは言えぬけれど程よい加減で酒場が散らばっていてそれがとても楽しいのであります。ぼくにとっては、この通りの酒場の配分加減が実のところちょうどよい按配に思えるのであります。これ以上に密集していたら窮屈すぎると感じられるだろうし、逆にこれ以上少なくなると呑み屋街としての風情が損なわれる、そんな絶妙なバランスでこの酒場は成り立っているように思えるのです。  そんな味のある呑み屋街に新参店が登場しました。新参といっても近隣で長らく営業を続けてきた「もつ焼き ブウちゃん」が移転してきたのであります。界隈の有名店「大松」のお隣、かつては「のっけ盛」という一度はお邪魔していたはずだけれどあまり印象に残ってはいない酒場を居抜いていると思われますが、内装も何も覚えていないのであります。オーソドックスなL字のカウンター席には、かつての広々とした視界の広いカウンター席の面影は感じられません。名物となってもいた多少の馴染みのある店主ご夫婦の姿も見えぬようです。その息子さんが焼場の担当だったろうか、それすら明らかではないけれど、さほど感心していなかったもつ焼きに関しては、以前より美味しくなったような気もします。好きな呑み屋街の移転し生まれ変わった呑み屋というなかなか稀有な店ではありますが、ぼくには以前の孤立無援な様子ででも大いに繁盛していたかつての店舗がとても懐かしく感じられるのでした。

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