夜が待ち遠しい

2022/08/03(水)08:30

東武練馬の北町楽天地、最古参の酒場で呑む

練馬区(40)

3回に亘ってお送りしてまいりました東武練馬駅至近にある北町楽天地の酒場巡りもひとまずはこれにてひと段落です。こうした呑み屋街に来るとどうしても最古参の酒場に立ち寄りたくなるものです。当然、前回お邪魔した立ち呑み屋の「のんべぇ」ですでに聞き込みを済ませています。ってそうするまでもなく以下のサイトで事前調査しておけば苦も無く知り得たんですけどね。 https://dailyportalz.jp/kiji/171212201439  酒場で聞く話など話半分程度に思っておいた方がよいことはもう何度となく身をもって経験しているのでうかうか鵜呑みにすることはできません。まあ、ネットの情報に頼ることなく自身で聞き出してこそ価値があるなどと主張するつもりは毛頭ありませんが、情報を確固たるものとして補強するためにも知れることは聞き出しておきたいものです。ぼくが聞いた話と突き合わせるとほぼ合致するみたいだからそれなりの蓋然性を持ち合わせる情報のようです。  向かったのは「小料理 夕子」です。小料理屋という割には一般にイメージされる和風の店構えとは違って、いかにもスナックでございという外観であるけれど、先の立ち吞みで行ってらっしゃいと見送られた手前、その程度の障害は乗り越えなくてはならないのです。店内も見るからにスナックでスナック風でありながら居抜きであるが故のスナック風ではなくて小料理の名からは程遠いあくまでも正統派のスナックなのでした。高齢の女性が店の奥で熱心に新聞に見入っています。ぼくが席に着いても気付かないようなので声を掛けると緩慢な動作でこちらに視線を向けられます。何にしますという問い掛けにチューハイを頼むと、のっそりと立ち上がりカウンターの向こうに移動します。しばらくしてあれえ、焼酎切れてるねわね。じゃあ別の酒でも構わないと告げてもお酒何もないわねえ、困ったわねえ。お隣で借りてこようかしらなどと仰るのだ。酒場で酒類が一切ないという経験はさすがに初めてのことだと思います。でもどこから出てきたのか、あったあったと見せられたのはどこぞやのコンビに仕様のワンカップの焼酎だったのだ。ウーロン割りができるというので努めて快い風でそれでお願いと応じます。肴も何もなくってゴメンなさいねねどと言われるけれどそれはまあそれで構いはしない。と書いたけれどそのすぐ後にそうそう××さん(通りのどこかの酒場)からおかず頂いたんだはとちくキューとかを出してくれました。ふう、ようやく呑めそうです。ワンカップの半量はなくなったからせいぜいゆっくり呑ませていただこう。そしたらママさん、読んでいた聖教新聞を何枚かばらして渡してくれます。読んでだって。だったらまあ4コマ漫画のバリバリ君でも眺めようかなと紙面をめくると見たことのないのが掲載されています。いつの間にか連載が変わっていたのですね。ママさんにバリバリ君終わったんだね、をきっかけにお喋りに花が咲きます。この横丁が戦後に池袋にできた闇市の解体によって生まれたことやかつて池袋で居酒屋勤めしていたママさんが1980年代後半にここに流れ着いたことなど、上記サイトの記載と同じような話をお聞きしました。こういう昔話を聞くのって古い酒場のお楽しみの最たるものですね。やがて常連さんが来られます。酒がないといってもちっとも驚いた風もないのが愉快なのです。2杯目を呑み終えて居座るのもねえ。お勘定はきっかり600円だったかなあ。店を出ると辺りはすっかり暗くなっていて、立ち吞み屋はお客さんで一杯になっていました。さっきたくさんお喋りしてくれた若い女性はまだ呑みの真っ最中、楽しかったと一言告げておっさんは一人東武東上線の改札を通るのでした。

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