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夜が待ち遠しい

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渋谷区

2018/01/10
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カテゴリ:渋谷区
恵比寿という町は、嫌いな町じゃないんですよね。というかむしろ住むならここもありと思っていたのだけれど、予算がそれを許さないだけの話なのです。いやいや、具体的に恵比寿での生活を思い描いていたわけじゃありません。だって、実際住むとなれば近隣の商業業施設やら医療機関なんてものも想定すべきであるし、そこまでのリサーチを実際に行うかといえば、まあそうする可能性は相当低いに違いないのです。想像の範囲内で恵比寿住民である自分を思い描く程度の憧れのような妄想に過ぎぬのです。じゃあ恵比寿のどこに惹かれて住んでみたいなんて戯言を語ってみせたのか。まず第一に挙げるべきは公共交通機関な利便性があります。その意味では東京駅のそばというもの候補として浮上するのであるけれど、これは話が長くなるのでやめにしておきます。次には散歩して楽しそうだというのも恵比寿の魅力と言って良さそうです。周辺の数多の人気の町へのアクセスも良いのはやり魅力的です。なのに当の恵比寿自体は案外閑静なのだから住環境は悪くないと思われるのだ。なんて事をボンヤリ思いながら呑んでみたのです。

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 一軒目は、「やきとり かおる」であります。恵比寿神社の周辺にはさして広くないけれどしんみりとした情緒のある呑み屋街が構成されていて、そこには以前何度か通って忘れられぬ割に再訪の機会を逸している何軒かの良店があります。この夜訪れるのは、そんな恵比寿神社の目と鼻の先にあるそうな。さも風情があるのだろうとさして歩くでもなく辿り着いたそこは暗い通りではあったけれどさして情緒のない眺めであるし、店そのものも質素なところは好感が持てるけれど、味気のなさは否めぬところであります。外観から予想される通りのやはり拍子抜けする位にありふれたお店です。改装を経ていると思われるのだけれど元も似たような構えであっただろうと思われる。焼鳥のお店らしいからまずは焼鳥を焼いてもらうことにします。高齢の方は初代なのだろうか。腰を丸めて寡黙に作業に没頭しています。若主人は客の幼馴染の女性と砕けた会話を交わしています。近所の仲間たちのことや町の変貌について、さしてしみじみとした感じもなく開けっぴろげで陽気に語られていました。恵比寿育ちの方たちは、ざっくばらんとしておられるようです。お隣の方は引退後に静岡に移り住まれて時折、都内を訪れて夜には決まってこのお店に来られると語っておられました。焼鳥もいいけど、この店の真価はむしろ店の方や常連さんたちとの語らいによって保たれているのだと感じ入りました。

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 次なる酒場は、「酒処 ふくみ」です。地下の階段を降りて行くと店内にも階段があってその高低差が生み出す景色はなかなかに愉快です。手持無沙汰になりがちな独り呑み客にとっては、それは嬉しいのですがカウンター席からは周囲を眺められないのが残念。目の前の大皿に盛られた肴たちをひとしきり物色すると後は人のいないカウンター奥の壁を眺めるしかないのです。そんな大皿から親子煮を注文してみました。やがて差し出されたのはとんでもない量の親子煮で、しかも辛めの味付けがされているので酒が進むこと進むこと。辺りを見渡してみると独り客はぼくだけで皆さん、結構な大人数で盛大かつ賑やかしく楽しい酒を召し上がっています。確かにこのお店は奥にも深く伸びていて、それなりのグループで使うのがよさそうです。というか、カウンター席には店の方の私物などが置き放たれていて、ぼくのような独り客は稀有な存在なのかもしれないですね。仲間の少ないぼくのような人間にはちょっぴり不向きで、ほんのわずかではありますが、そんな己の境遇を切なく感じもするのでした。






Last updated  2018/01/10 08:30:05 AM
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2016/07/14
カテゴリ:渋谷区
 断るまでもないことかもしれませんが、原宿とか表参道とか青山、いずれでもそう違わないのですがどうにも相性が良くないようです。相性が悪いことは百も承知なので、当然ながら好んで接近することはとありません。それなのにどうしてまた呑みに行ったのか、それはここで語るまでもないことなので口をつぐむ事にします。だけども原宿駅が近づくにつれ憂鬱な気分に陥るのをやり過ごすのが困難なほどです。しかもこの夜はどんな物好き心が芽生えたのか、一人きりなのだから今持って信じがたい愚行を犯したものです。唯一の心の慰めである都内の木材建築としては最古という駅舎をそう遠からず建て替えとなることで、少しばかり感慨こもる視線で見つめ直してみると、ここだけは確かに悪くない。でも駅を背にするともはや一目散に呑み屋街を目指すばかりなのです。

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 追い立てられるようにしてやがて原宿の良心ともいうべき呑み屋街に急ぎ足で向かいますが、途中この辺りではあまり目にすることのない、人気のない中華料理店を見かけたのだから思わず視線を奪われると同時に店に入ってしまうのでした。という小奇麗で広々としたまあ原宿っぽいといえば言えなくもないお店です。内装はちょっとばかりモダンアートチックというか、カラフルで抽象的な飾り付けが施されていて、まあちょっぴりユニークではあります。メニューを眺めてみると特に代わり映えした品などありはしませんが、もとよりそんな物は期待しておらぬし、ただまあ価格が手頃というのはそれだけでも貴重に思えるのは原宿の飲食店の強みであると同時に限界でもあります。何よりここは空いているという通常よその土地ならば美徳となりえぬ点において優れて利用の価値もしくは理由となり得る稀有なお店でありますが、果たしてこの体たらくでは、次行った時にやっているか疑問視する必要がありそうです。

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 続いては「大炊宴」というお店にお邪魔します。店名だけ見ると立て続けに中華料理店とは焼きが回ったのではないか、酒場巡りをメインに据えているブログで中華料理店ばかりとはなと誤解されそうですが、ここはれっきとした居酒屋さんなのであります。狭い店内にギリギリまで人を詰め込もうと考えるのは原宿という立地から考慮してみても実に理にかなったものです。先の店の余裕のある空間設計とは隔絶の感があります。だからいいかと言えば正直看過し難い問題があるのです。それについては店主の考えもあることでしょうし、それにケチをつけるのもどうかと思うのでひたすら薄めたアメリカンな描写に務めるようにしたいと思っています。まあ呑みながら書いているのでどこまで自制できるかは保証のしようもないのですけど。全般的にお値段が高めなのはまあ場所柄文句は言いますまい。地元の方が足繁く通い詰めて店主とも意気投合しているらしいことは存分に伝わるのです。というか、カウンター席にぼく一人だけが黙々と呑んでいるのが奇異な視線の格好の餌食となっていたようにも感じられます。こういう店での嫌われないための振る舞い方というのは大体決まっている。卑しく肴を頼まず、少ないそれを舐めるようにしてーカニみそを注文ー、至極満足げな表情を浮かべつつ、酒だけは着実に杯を重ねるというものであります。おしゃべりに加担せずともこの際に浮かべる表情はなかなか雄弁なものです。そこに若者の一群が参上しましたこの時からオヤジの態度がよろしくない方に移行します。若者たちをカフェ使いの客と看過したようなのです。それは恐らくは誤ってはいないはずです。何しろ酒を頼むのは半数以下。そんな客は空いてるかどうかしらんけどコーヒーショップにでも行けばいいのだとぼくでも思います。しかし、それを口にするのはご法度ではないか、そうぼくは思うのです。酒場は酒を呑む施設なんだからね。だけど、あの強烈な毒づきを耳にしたぼくは恐ろしくてどうもこの店に再び足を運ぶことはないだろうと思うのです。






Last updated  2016/07/14 09:44:21 AM
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2016/05/19
カテゴリ:渋谷区
 幡ヶ谷駅は京王新線で新宿からわずか2駅の副都心に隣接しているはずの駅で、その周辺の町は大都市の様相を呈していると考えがちです。確かに1駅手前の初台駅の周囲は巨大ビルディングで埋め尽くされ、どうにも歩くのが億劫になるのですが、わずか数百メートルほど離れただけの幡ヶ谷駅周辺になると事態は打って変わって、忽然として庶民じみた商店街が残っていたりするのだからゆめゆめ見逃せぬ町です。てもここで呑もうとはなかなか思えぬのです。いやいや実際に電車に乗ってみれば案外自宅からも近いことは何度か来ているので知ってますし、乗り換えも腐スマートにこなせたらそれこそなんの事もなく辿り着けるはず。そんな時にたまたま近所に住むかつて一緒に仕事をしたことのある気の合う先輩殿から呼ばれることになり、いそいそと出向くことになったのです。厄介なのはこちらの希望する店に連れ込むことができるかどうかということてすが、ようやく駅に辿り着いてみると何たることから店を決めているとのこと。さす強硬にそれを辞するのもご馳走にならんとする者としては取りにくい態度でありますし、出来る限り早々とハシゴする段取りを企てるのが良さそうです。

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 ところご連れられてきたのは、まさに意中のお店だったのでした。そもそも駅出てすぐの細く暗い路地に誘導されて店名を見ずに受けた印象はとても良くて、これならまあ念頭の店と違ってもいいかなんて思ったばかりなので二重で悦ばしい。「茶びん」は、そんな裏路地にある秘密めいたところと控え目なさり気なさでぼくの好みにハマるお店に思えたのでした。店内はこぢんまりしていて、カウンターはやや狭いので独りだとちょっと入りにくいかも、なんせ大ベテランの先輩諸氏が大層ご満悦らしく時折、基本的には静かな店内を賑わしています。われわれは真ん中に据えられた島型のテーブルに着きます。これも二人だと案外いいもんです。いいおっさん同士が2人掛けのテーブルで対峙するのも見てくれの良いものではないし、ましてや自分たちもあまりゾッとしない。こちらのお店、立地はすごい場所なのにお値段が手頃なのがまずは嬉しくなるし、その料理もなかなかのものです。でもそんなこと以上に素晴らしいと感じるのが応対するご主人の丁寧さときめ細やかなサービスにあって、ぼくも若い頃にこうした品のいい店で呑んでいたら少しは大人の嗜みが身に付いたかもしれぬのに、今更ながらのことを思うのです。ともあれ、ここはじっくりと腰を落ち着けて呑む店であるようです。ぼくもいつかはこうした店でゆったりと呑む落ち着きのある人になれる時が来るのだろうか、そんな時が訪れたらまたぜひ来てみたいものです。

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 先の店を気に入ったのは相方も一緒だったようです。酒場放浪記という番組で紹介されていたのだよ、このそばにも同じ番組に出た店があるそうだよと言うと、次もきっと良いと信じ込んだ相方はもはやぼくの甘言を疑いもせず、今度はぼくの誘導におとなしく従うのでありました。「鳥伊那」は、外観を見るやいなやそれだけで良い酒場だとぼくなどは察してしまいますが、相方は逆に一瞬怪訝な表情を隠しもしませんが、気にせず入ることにします。入ってすぐにここはそこらの焼鳥店と何かが違っているなと思います。カウンターだけの焼鳥店って案外変わっていますが、それより止まり木風の丸太の固定スツールが愉快です。そして店の方が女性だけというのも珍しい。そして客層が意外と若い人が多いんですね。そんな観察をしながらも相方は早速に食い気と呑み気を発動します。そして出された焼鳥を食べてみて大いに絶賛。来たばかりだというのに、早くもまた今度来よう、今度はお前じゃない奴とな、なんて余計なことを抜かしてくれるが、ぼくはそんな相手があんたにはあまりいないことなどお見通しだぞと知らぬふりを決め込みます。そして確かにまあここは実にいい、こんな店なら地元の人間なら一人ででも足繁く通うんだけどななんてことを思いますが、大層苦労して帰宅したことを思い返すとやはりそうは来れないかもしれぬなと、次またこの相方と呑むチャンスを画策するのです。






Last updated  2016/05/19 08:45:51 AM
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2016/04/09
カテゴリ:渋谷区
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 幡ヶ谷に来たのは何年ぶりだろう。この町、けして悪い町じゃないし、むしろ都心から至近な町なのにどうした歴史を歩んできたものか、何だか今ひとつ垢抜けぬところが地方都市で生まれ、その後も地方都市を転々として育ったぼくにはホッとさせてくれるのてす。まあ同じ新宿を起点としていても京王線ないしはより新宿に近い京王新線の沿線はそういうのんびりした環境が残っていて、何度も来るような町ではないけれど数年おきに訪れると何だか懐かしいような気分さえして悪くないのです。実際に前回幡ヶ谷に来たのはやはり数年も前のことで、それは喫茶店巡りの一環として訪れたわけですが、その際に東京メトロから直結する地下街があって、そこは幡ヶ谷ゴールデンセンターという名があったことを今回改めて確認することになりましたが、「栞」という古臭いまあ昔のいかにもな喫茶店らしいお店がありました。というか、今でも営業していました。その時の写真を見つけられたらアップロードしますが、過去行った喫茶の写真は全くもって未整理であるため、あまり期待していません。今回はあくまで当時、何軒か雰囲気ある居酒屋があったことをふと思い出したのです。でもそこがどんなお店だったかの記憶は覚束ないものでありました。で、あるにはありましたが、店内はなぜかなし。なのでおまけに他の幡ヶ谷喫茶2軒をおまけしておきます。「コーヒーの店 ひだか」と「プラスワン(Pluss One)」です。こちらも店内が見当たりませんけど。

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 中華料理店などに並んでやきとんのお店があります。中華も悪くないけどやっぱりやきとんでしょ。いやいや毎晩のようにやきとんを食べているのだから、別にやきとんが格別良かったわけじゃなくて、より酒場っぽいから選んだというだけです。「炭火やきとん かわ野」は、カウンターだけのコンパクトなお店です。オヤジさん一人の店なのでこれがちょうど塩梅が良いのでしょう。店の人だか客だか判別し難いおっちゃんがいましたが、この人は相当の常連らしいのて…その気安さが判別をし辛くしていたようです。おっちゃんの隣にはじきに女の子が現れて、その子は近所の店でアルバイトしていて、おっちゃんよほどお気に召したのか、かつても一緒に来たことのあるこの店でご馳走してあげるようです。女の子も奢られ慣れしているようでまるで父親のように歳の離れた―実際父娘が呑んでいるみたい―おっちゃんを相手に楽しそうです。さて、ぼくはやきとんを適当に何本か焼いてもらいます。お通しが何とも嬉しい季節の味、新玉ねぎの煮物です。安い食材でもこういう気の利いたものは素敵です。やきとんは幾分ちっちゃ目ですがそんなことも気にならぬ。一言でいい店です。地下街でこっそり営業してるのも隠れ家みたくて楽しいなあ。くれぐれも火事にだけは注意して長く続けてください。






Last updated  2016/04/09 09:04:01 AM
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2016/02/20
カテゴリ:渋谷区
 いつも登場する―こう書くのもなんだかバカバカしい気がしてきたなあ―O氏は、お洒落なんて言ってもてはやされる町が大嫌いなのです。それはぼくも負けず劣らずで、でも互いに趣味のことになると話は別のこと。いかな嫌味な町であろうとそこに趣味よ対象となる某かがある限りは、自らの嫌悪感など一時拭い去り果敢にどこへなりと立ち向かうのでした。その二人の嫌う最たる町であるのが原宿、表参道、青山といったエリアであり、何故だろうそんな二人はそんな夜の町に向かうことになったのでした。そのキッカケはどうという気の効いた理由もなし、単O氏がNHKホールでコンサートやらを聴きに行ったので、だったらすぐに合流できるこの界隈にしておこうということになっただけなのでした。

 普段ならそんな理由があったとしても耳を貸すまいという頑ななところのあるO氏ではあります。それだから提案した時は却下されるものと投げやりに提案したところ存外すんなりと受け入れたのです。ただ合流までにはしばしの猶予があります。ここらに来ることなどそうそうないし、せっかくだからせっせと町を見て回ります。大抵の店はぼくのことを寄せ付けぬ不愉快な表情を浮かべており、こちらも知ったことかと努めて視線をやらないようにする。どんなことがあっても打ち解けることはなさそうです。やがてこの町で唯一のオアシスとも言えるような商店街に辿り着きます。オアシスと言ってもすでに枯れかかったそれではあります。

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 なんの気無しに入ったのは「キッチン&バー 秀」です。界隈では古参のお店のようです。貼り紙にカラオケとあるのが気になりますし、店内もあからさまにスナックらしいのがガラス窓からすけて見えますが、下手な店に入るよりよほど良いというもの。それが現在のこの辺りの良心と思うことにします。店に入ってもホントどーでもないの、退屈な風景が広がるばかり、ここでしばらくの時間を過ごすことは果たして正解なのだろうか、というか凌げるだけの何かしらがあるのであろうか。という杞憂をすぐに抱くのがぼくの悪い癖、なんのことはないこちらのマスター、大変にサーヴィス精神旺盛な客としては好ましい限りのお店なのです。最初から内幕をぶちまけると、チューハイだか、なんだかを2杯呑んでなんだっけかなあチャンジャ―今思い出しました、あさりの佃煮です―みたいなの出してもらってきっかり1,000円というのはまあお手頃であろう。こちらのマスターとにかくまあいい人であるのさ確かでして、バブルだかなんだかを境に景気が一気に傾いて閑古鳥がなくばかりだとあけっぴろげに語ってみせては、感動的な物語の一つや二つあろうものをおくびにも出さずただひたすらに笑顔を振りまいてくれるのでした。長くなるのでここまでにしますが、正直何度かこの界隈で呑んでますが、こここそが原宿、戦前の気取ってなかった原宿の姿勢を唯一引き受けているように思えてならないのです。

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 それに比するとO氏とともに行った「仲や」は、外観こそこの辺りとしては圧倒的に庶民的であることをあからさまにしたまあ好みのタイプのお店であるわけで、先に入っていたぼくを見てO氏もまあいいんじゃないという視線を投げかけてきます。お通しの立派な牡蠣の佃煮を横目に店内の様子に意識を向けることにしました。長いカウンターの造りなど最近出来たようなお店では見られぬ意匠も確認できますがここがお洒落な町という特別な事情がなければ声高に褒めそやす程のものではありません。無論それでもこの雰囲気は悪くなく、隣の外国人客はこの雰囲気を大変好んでいるようです。しっくりと外国人の客がハマるというのは他の日本人客の懐が広いということのようで、その点は今時こうした店を好む若い客たちに歩がありそうです。下町酒場の閉鎖的なところは度々耳にするところです。店は母娘位の若い女性でやっていて、ちょっとばかり意外な感じもしますが人当たりも良くて好感が持てました。が、勘定済ませて店を出てはたと気付いてみると偉く払っている。これならちょっとしたビストロで呑み食い出来ちゃいそう。ボラれたとボヤいても罪では無いはず。でもこの町では今更文句を言ってみてもしようがない事で、嘆息するしかないのでした。






Last updated  2016/02/20 08:44:35 AM
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2015/08/28
カテゴリ:渋谷区
 もう何度も言っているので一言だけ言わせてもらうと、ぼくは渋谷が好きになれないと述べるだけで片付けることができます。なのでこれ以上は繰り返しません。渋谷には面白いところがいっぱいあります。なので身勝手ながら好きな場所は結構あります。その好きな場所への道中には息が詰まりそうになることもありますが、好きな店でしっぽり浸るとここが渋谷であることを忘れそうになります。なので他の町でそうするようにはあちこち無節操に動き回ることはしません。いつも決まりきった酒場やら喫茶店にすぐに避難してしまうからです。それじゃイカンと急遽奮起することを決断したのでした。きっとこれからは頻繁に渋谷が登場するはずです。きっと、いやまあ半年に一回くらいかな。

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 一大決心を遂げた今、とりあえずは未訪の「多古菊」を訪れておくことにしました。店の構えはピカピカでどうこういうようなものではありませんし、店内も表から見通せるので、きっとそれ以上のものではなさそうです。時間は早いのに結構繁盛していて、なんとかかんとか店内中央に置かれた島テーブルに着くことができました。まあ、しばらく様子を見ていると案外客の出入りが頻繁なのでいずれそう待たずとも入れそうです。この先何を語るべきか、かつてはどこにでもあった大衆居酒屋ーあえて大衆酒場と書かない辺りのニュアンスをなんとなくご理解願いたいーというのが結論ということになります。大衆居酒屋と言ってもチェーンのチープさと個人営業の気安さといか常連至上主義的な一面が良かれ悪しかれ感じられ、ぼくにとっては嫌いにはなれないものの通い詰めるほどには到底なれそうもありません。それでもこの立地でまずまずお手頃な値段で居酒屋を続けるのは並大抵の努力ではないと好意的に語っておくことにします。

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 続いては「大衆立呑酒場 富士屋本店」にやって来ました。この辺りはそう遠くなく再開発で一掃されてしまうということなので、機会があれば通いたいと思っています。ここで働くけして感じがいいとは言えぬおばちゃんたちがこの先どうするのか気になるところです。ここは価格は良心的とはいえ、何よりも戦後を感じさせる無頼なまでの雰囲気が持ち味なので、仮に移転してもうまく行くのだろうか。ところで混み過ぎなこと以外にさして不満のなかったこのお店ですが、不快な出来事に遭遇しました。たまたまお隣で呑んでいた可愛らしい女性2名が呑みきれぬ焼酎ボトルをいかがですかと差し出してくれたので、有り難く頂けたのですがそれを店の人に取り上げられたのです。そりゃ、残ったのを黙って拝借したら問題でしょうが、直接ご馳走になったのを取り上げるのは正当なんでしょうかね。もしかすると店で他の客同士で酒や肴の遣り取りを禁止することもあるのでしょうが、それならそうと貼り紙しておくべきと、まあ軽く憤慨したのでありました。しばらくは近付くまい。






Last updated  2015/08/29 06:11:20 AM
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2015/07/22
カテゴリ:渋谷区
 こうして数年に亘って飽きもせず―面倒ではあるのですが―、主に東京都内とその近隣の酒場と喫茶店について駄文を書き散らしてきましたが、あえて避けるようにしてなるべくであれば近寄りたくなかった町があります。ちょっとでもご覧いただけている方ならすぐにお分かりのことでしょうが、渋谷界隈にはほとんど出没していません。実際には、喫茶巡りは何度か行っていますし、乗り換えで利用することもしばしですが、あえて呑むために訪れることはまずない町です。これでも映画青年だった頃には毎週のようにしかも上映内容によっては毎日のように訪れていたこともあるわけで、半ば修行のように通い詰めたものです。当時も目的さえ済ませば逃げるように渋谷の町を出ていたものです。なので当時も映画を見たその足で呑むなんてことはまずなくて、必ずどこかしらの近くの町まで移動して呑むことにしていました。その頃の記憶が軽いトラウマのようになっていて、未だにこの町は呑む町という印象が希薄なのです。それには然るべき理由もあるのですが、語ってみたところで面白くもなんともないので割愛します。

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 さて、今回お邪魔するのは、酒場放浪記で放映されたんだか、これからするんだか調べ直すのが面倒なのでやはり調べないままにかいてしまいますが、JRのガード下にある「さつまや」です。ガード下酒場など都内にもいくらでもありますが、こと渋谷にあると有り難みさえ感じるのでした。先ほど書いたとおり番組は見ていないので、店に入って貼紙を見てギョッとしたのですが、こちらのお店、この9月5日をもって閉店なさるようなのです。余計な装飾を排した無愛想なくらいに質素な店内は、日頃通う酒場とは一線を画す潔さで、酒を呑むならこんな店であるべきだとの確信めいた感想さえ漏らしそうになります。カウンター席に腰を下ろし、焼酎を啜るだけのことがこれほどまでに甘美な体験となるのは、この酒場の魅力がもたらすものであるに違いありません。まさか渋谷にこれほどの酒場があったとは不覚でした。客たちもこの静けさの素晴らしさをよく知っておられるようです。子連れの一家もいらっしゃいました。一見のぼくなどと違って若い頃から通われていたのでしょうか。どこで聞きつけたのか多くの方がこちらのお店にはなにがしかの思い出を抱いておられるらしく、初めてのぼくにとってさえもどこか懐かしい酒場に感じられるのでした。

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 しんみりとしたきぶんになつたのでそれを追い払うため、思い切ってのんべえ横丁に立ち寄ってみることにしました。前々からこの横丁の存在は知っていたものの、敷居が高い―お財布の面で―せいもあって、今度にしておこうとずっと敬遠していたのでした。行ってみると外国人をはじめとした観光目的の人々が群れをなしており、ああ、これが嫌だったんだよなと辟易とした心持ちになるのですが、思い立った時に行っておかねば、次の機会もきっと同じことになってしまうと気を取り直し、ぐるりと一巡した路地を再び、今度はじっくりと店選びしつつ歩いてみたのでした。何軒か気になる酒場がありますが、それなりに味のある「なだ一」にお邪魔することにしました。かつて屋台だった各店舗が寄せ集められたという呑み屋街の成り立ちは、
どこも似たりよったりなので、あえて触れぬようにしました。お向かいのマグロを売りにした酒場に生ビールやお通しをお届けになる女将さんを見て、以前なんかのテレビ番組で拝見したことを思い出しました。小学生にもならぬような子連れの先客は、仕切りにこの酒場と呑み屋街の素晴らしさを称えるのですが、黙っていても店の方にその気持ちは伝わりそうなものだけどなあと少し疎ましく感じるのですが、一見のぼくがそれを述べるのはおこがましいことです。立派なおでん種を汗だくになっておでん鍋と格闘する女将さんを眺めながら、この小さな酒場を守るのも並大抵ではないなあなとと感嘆するのでした。






Last updated  2015/07/22 08:48:38 AM
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2014/01/22
カテゴリ:渋谷区
 代々木公園の裏手にあって,小田急小田原線の跨線橋である参宮橋のそばにあるのが参宮橋駅。初詣の際の明治神宮の臨時改札がありますが,余程のことがなければ下車することもない駅です。先日幡ヶ谷から初台を通って代々木に向かった際にちらりと通ったばかりですが,数軒古い居酒屋を見掛けただけであまり面白味のないところだと感じました。それなのにわざわざ訪れたのはS氏と代々木で待合せて,ぶらぶら彷徨っているうちに辿り着いてしまったのでした。

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 町の様子はおおよそ記憶しており,古びた居酒屋がぽつぽつある線路沿いは後のお楽しみに取っておくことにして参宮橋駅を越えて商店街を歩きます。といっても飲食店のある通りなど限られており,駅からすぐの別れ道の左に進んではお楽しみの店が待つばかりなので,右手に進みます。これといって気になる酒場もなかったので,「大阪串かつ たんと」というお店に入ってみることにしました。間口は狭いものの店内は奥に深く,10席以上ありそうなカウンターを越えるとテーブル席がけっこうな数置かれていますが,先客は男性2名だけ。リフォームを終えたばかりのようなコンクリートの打ちっぱなしのきれいな明るい店内とあってちょっとばかり寂しすぎる気がします。従業員は店長らしきちょい悪系のオヤジとやたらときれいな顔立ちをした女のコです。早速注文,枝豆や串カツで味試しです。まあ悪くないんですけどねえ,串カツ屋はやかましいくらいに賑わってるのがちょうどいいですね。

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 さて,さきほどの別れ道に引き返し,もう一方の道を進んですぐに「居酒屋 さつき」があります。まあ都心部から外れた町にならどこにでもありそうなちょっと古びて渋いといった店ですが,参宮橋界隈にあってはとりわけ貴重な存在に思えます。昭和55年に開店したということで,歴史がそのまま店の構えに見て取れるというのがうれしいですね。この程度の年季だと店のオヤジやおふくろさんも開店当時そのままなのでしょう。店の奥はテーブル席,座敷もありますが,そこに辿り着くにはカウンターに並ぶ客たちの背後を縫うようにようやく入り込めるようになっています。寒風吹き込む入口そばだけがなんとか空いています。カウンターのお隣にはひとり鍋をつつく女性がいて,女性だけで気兼ねなく呑めるいいお店であるとそれだけで好意的になります。値段もほどほどで(ただしサワー・酎ハイ関係がやたらと高いのはどうして?),味も家庭的でほんわかとなります。便所の壁にはお店のカレンダープレゼントと貼り紙してありますが,一見のわれわれがもらったのでは恐れ多いので遠慮しました。
品書:ビール中/ウーロンハイ:550,酒2合:550,玉子唐揚/サツマ揚/ポテトフライ:350,どじょうの唐揚:550,肉じゃが煮/とり竜田揚:450






Last updated  2014/01/22 08:34:16 AM
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2013/12/20
カテゴリ:渋谷区
 めったに近寄らない町,渋谷でO氏と「名曲喫茶 ライオン」に行きました。純喫茶の愉しみを理解できぬというO氏にも純喫茶の魅力を伝えようという崇高な目的だったわけですが,目的はやや不調に終わりました。ひたすら沈黙を強いられるその緊張感がご不満だったようです。その後,当然ながら一杯呑むことにし,のんべえ横丁に行ってみようということになったのですが,その前に軽く一杯。「富士屋本店」にお邪魔することにしたのでした。

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 開店後さほど時間も経っていないにも関わらず,立つ場所を見つけるだけでも一苦労という混雑ぶり。他人のことを言える立場でないのは重々わかっていても,一眼レフのごついキャメラがあちこちで構えられ,ストロボまで焚かれているのにはいささか辟易させられます。酒も肴も安くて文句なしですが,いくら酒を呑むすべての人にこの店が開かれていると言っても,この酒場を贔屓にして通い続けている常連さんたちが不快に感じないようにしたいものです。テレビで放映された飲食店は一時的に客が入りすぎて,それにうんざりして店を畳んだり,常連さんが離れてしまって潮が引いた後にはさっぱり入りが悪くなってしまうということもあるそうです。自重を込めて記しておきます。

 さて,人混みにげんなりしたわれわれはのんべえ横丁に立ち寄る気力が失せてしまい,渋谷の町を離れて静かな店で呑み直すことにしたのでした。






Last updated  2013/12/20 08:36:35 AM
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2013/06/03
カテゴリ:渋谷区
 先日,笹塚を訪ねて新宿の副都心を間近に眺める場所であるとは思えないほどの鄙びた町並みがすっかり好きになってしまったのでまたもや日も置かずにやってきてしまいました。向かったのはまたもや観音通り商店街です。

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 前回立ち寄りそこねていた「食事処 常盤(常盤食堂)」からスタートです。調べてみたところ,このクラシックな佇まいの食堂は,大正7年にカフェーとして営業を開始し,その後食堂となり,現在の建物は昭和40年に改装したというまさに長い歴史を有するお店ということのようです。白地に黒く常盤と筆文字で書かれた内照式の欄間看板は立派で目を惹きますが,いかにもお食事処という雰囲気で呑む店とはいささか勝手が違うように感じられます。が躊躇しててもしょうがないので早速入店します。店に足を踏み入れるとホッと一安心。間違いのない典型的な食堂の佇まいが感じられます。きれいに清掃がいきわたっているのも気分がいいです。料理の受け渡しのためのカウンター,その上には数々の短冊の品書きが並び,4人掛けのテーブルも数多く,ゆったりとした座敷もあって,ゆとりのある配置となっています。狭くて隣の客と肩が触れ合うような食堂も活気が感じられていいものですが,客の入りが程ほどでのんびりできる食堂もまたいいものです,というよりそのほうが落ち着けるので好みです。酒の肴にもぴったりの惣菜がたくさんあって,きっちりひと手間かけたしっかりとおいしい肴でした。仕事に疲れた夜に自宅の最寄の駅の近くに帰宅する前にちょっとだけ寄り道するのに抜群なお店でした。
品書:ビール:500,酒:450,上とんかつ/煮かつ:450,目玉焼:230

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 さて,観音通り商店街のめぼしい酒場はひとまず満足したので,駅の反対側の笹塚十号通り商店街を目指して駅方面に歩き出します。すると笹塚駅の改札を出てすぐ目の前に「大國家」という酒場があるではないですか。あまりにも駅に近すぎてうっかり見過ごしていました。まさに駅前酒場そのものです。これまたうっかりしていましたが,「吉田類の酒場放浪記」にも登場しているお店のようです。昭和30年創業でどじょうなべが名物のようですがそんなこととは一向に知らずお邪魔してしまいました。早速お店に入ってみることにしました。カウンターがメインのこれぞ駅前酒場という造りでうれしくてついつい笑みがこぼれてしまいます。近所の常連のじいさんたちが思い思いの席で酒を楽しんでいます。蒸かしただけの新じゃがを山盛りにした大皿がカウンターの上にあって,ついお願いしてしまいました。これが滅法量が多くて,うれしいけどこれだけ食べたら後はもう何も入りそうにありません。こういう酒場ではごくごく素朴な何気ない肴が欲しくなるものです。特にすごいところがあるわけではないのですが,かつてはこんな酒場が各駅に当たり前にあったのだろうなとつい感傷に浸ってしまいたくなる渋くて懐かしい酒場でした。

 まだまだよさそうな酒場が潜んでいる予感はありますが,次回は駅の北側,甲州街道を越えて笹塚十号通り商店街で飲んでみたいと考えています。






Last updated  2013/06/03 08:44:38 AM
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