目白駅そばのブラッスリーで気軽にディナー
このブログで余程のことがないと触れることのない町というのがあります。言うまでもなく酒場報告を話題の中心に吸えるのだから、酒場のない町には余り寄りつく余地など有りはしません。しかし、一方では郊外のベッドタウンのような寂しい町には好んで足を向ける事も少なくはないのであって、そうした町の住宅に溶け込むように密やかに営業を続ける酒場を好ましく感じるのは確かなのです。苦手とするのは都心近くの住宅街であって、目白などのその一つです。しかし、稀には足を運ぶこともあります。目白にはめぼしい酒場はないけれど、少しばかり気取った感じのでも案外お手頃な店も紛れ込んでいるから、本格的な呑みと言うよりは、呑みながら食事でもしましょうというのに適した店なら多少はあります。そんな目白のお店で以前からその存在は知ってはいたけれど、なかなか機会を逸していた一軒にお邪魔する好機が到来したのだから逃すはずはないのです。 山手線の線路を見下ろす細い通りを池袋駅方面に少し進むと「ラ・ムジカ」があります。事前に電話で予約したのは予約の特典があるからです。また、こうしたちょっとしたレストラン―このお店はブラッスリーを自称しているけれど、普通のビストロよりは格式が高い気がします―では予約が必要だという程度の常識はあります。さて、その特典とはシェフのお勧めのコースが4,500円のところが4,000円になるというものでこれは利用しない訳にはいきますまい。カジュアルながら、どこかそれなりにパリっぽいムードを感じさせる店内には女性客が二組のみといささか寂しくはあります。混雑しているのは嫌だけれど、余り空いているのも落ち着かないものです。ワインのボトルも2,980円からと手頃なのは有り難いです。前菜はタコと燻製したジャガイモをゼリー寄せにしたもの、メインの魚料理は目白のさんまという料理名でメカジキのミンチをサンマで巻いてソテーしたものです。肉料理は鴨でしたね。何れも過不足なく美味しく頂けて量も適当だったので、後から呻き苦しむこともなく気分よく食事を終えることができました。デザートのカボチャのプリンに苦味の効いたキャラメルのアイスクリームを乗せたのは美味しかったなあ。料理や酒がリーズナブルなのも嬉しいのですが、店の方たちがアットホームなのもうれしいところ。息子それとも娘さん夫婦とその御父上でやってるようで、給仕の御父上がちょっとばかりユーモラスでいて、人懐っこいところがほのぼのとしたムードを店にもたらしています。また、機会があればお邪魔したいお店になりました。