富山―岐阜―愛知の黄金観光ルートを堪能する 酒場篇 その1
白川郷では、土砂降りに見舞われることになり思ったような段取りで行動できず、もたもたするうちに予定していたバスに乗り遅れてしまいました。今まさに脚光を浴びている旬の観光地での食事となると無駄に高いばかりで少しも旨くなかったりして、少しも乗り気にならぬのでありますが、ひどい雨なのに気温だけは夏の暑さを反映しているから、もう蒸し暑くて堪らんのでした。蒸し暑さの深いから逃れるためにも観光地メシを受け入れざるをえなかったのでした。 そこで、バス乗り場から近い「いろり」で昼食を摂ることにしました。合掌造りの趣のある店舗ですが、外観のみ風情があっても店内は観光地風のしかし真新しく味のない食堂だろうという程度に期待せずに暖簾をくぐったのですが、これがなかなかに店内も風情があるのでした。店名にもなっている囲炉裏もあったりして悪くないんじゃないかい。当然ながらせっかくなのでお酒でも頂くことにしたのでありますが、どぶろくセット650円なるものがあって、これがどぶろく一合と石割豆腐、そして小鉢はなんだったっけなあ、なかなかに気の利いたセットじゃないか。これだけというわけにもいかぬから焼とうふ定食1,296円を頼むことにしたのでした。「とうふは白川郷独特の『硬いおとうふ』を使用してい」るということで、これが確かに歯応えのあるがっしりとした食感で素朴ながらもなかなかに美味なのでありました。朴葉みそや若鳥けいちゃんなどの定食も魅力的ですが、いずれもこの夜、宿泊する高山や翌日行く予定の郡上八幡の名物だからあえてこちらで頂かずとも良いのであります。いかにも和の雰囲気の店内は外国人観光客で繁盛していて、この雰囲気に外国人ばかりというのも違和感がありはしないかと思わぬでもないのですが、皆さん、案外慣れた様子で馬鹿みたいにはしゃいだりせず落ち着いて過ごすことができたのはラッキーでした。