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今日はかねてから作りたいと思っていたカレーに挑戦。
日本の様に、食べたいものをコンビニに買いに行くとか ヨーカドー(古い??)の惣菜コーナーへ走るなどという事が出来ない。 日本食なり食べたいものがあるときは、作るしかない。 しかも食材がやはり全然ちがうので、代用できるものなどを 考えつつ食材を選ぶのがまた大変なのである。 以前無謀にもスープカレーに挑戦したが、うまくもなくまずくもないカレーが出来上がった。 しかも、それが家族全員のお昼ご飯だった為、家族にとっては大変迷惑な話である。高価なエビを沢山居れる事でなんとかごまかしたが、エビがなければトマトスープにカレー粉が申し訳程度に入っているようなものだった。日本のスープカレーはいまいち、という印象を与えてしまったようだ。 今回もいつものようにインターネットで「カレー レシピ」などとタイプし出てきたホームページから良さそうなのを参考に作る。材料もここで買える物ばかりである。ナイス。しかも カレー粉はこないだマルカディージョ(日曜になると家の近くに出現する市場。服なども売っていて毎週意味もなく行く。店の人に顔を覚えられ、いくらジャパニーズだといっても「チーノ、チーノ」と呼ばれる。そんなに中国人っぽいか?!) で買った、モロッコ産の奴だ。なんかわからないけど本場っぽい雰囲気だ。カレーはアフリカではないはずだが、そんなものより雰囲気の方が大事なのである。 早速準備の悪い早とちりな料理が始まる。 「カレーというからにはまずジャガイモ剥いて~」 そんな事をやっている間に、ホワンに来客。 「エンカンタダ」と初めましての挨拶をしながらも 心はカレーに夢中である。 なにやら、ずいぶん前からあっていない友達らしい。 カディスに居たときの友達で・・・という説明も いつものように、聞いている振り上手なふん、ふん、という うなずきにだまされているようだ。 そんなホワンにとって大事な友達も、私の心はどうやらカレー作りに軍パイがあがっている様子である。 そそくさと台所へ戻り、たまねぎを切る。 半分ぐらい切ったときにまた気づく。作り方を見てなかった。 コンピューターへ走る。 市販のルーがないのに、美味しいカレーってどうやったら作れるんだろう。前回の失敗がかなりトラウマな為、どうしても 美味しく作りたい。 頑張って手順どおりに作る。たまねぎもあめ色になるまで炒める。そうしていると今度はホワンが「ご飯食べに行こう!」と言い出した。今ご飯作ってるジャンよ。しかもたまねぎから今目が離せないよん・・・。 みんなの分ある?ときかれて大変困る。量はなんとかなるが味の保障がない。それを伝えると理解してくれたようで、コーナーにある居酒屋にいるから、来れたらおいで~といわれる。 とにかく、インターネットのレシピどおりに作る。 ここまではうまくいった。後は水入れて、マギーブイヨンを3つ入れればいいんだな・・・。 マギーブイヨン?!なんだっけ、それ?固形のスープの素見たい奴だっけ?鶏がらスープの素でいけるなっ。 3つ、3つ。。。 ちょっと、日本の奴より大きめだけど大丈夫だろう。。 ここでもちろん普通の人なら、少し筒入れて味を見るだろうが、私はそれを怠った。 いつもは少し筒入れて味を見ていたのだが、結局全部入れてしかも足りない事が多いからだ。 「大丈夫大丈夫」と大丈夫ではない行動に走る。 どどどどど・・。 さあ、できた。美味しいかな~。 「!??@#%”$」 ヤバイ。超しょっぱい。ちょっとじゃなく、超。 前回どころの騒ぎではない。 どうしよう、どうしよう。 これは、ごまかせる量のしょっぱさじゃないぞ。 とりあえず水を入れる。 一杯。 全然しょっぱい。 二杯。 まったく変わらず。 多分この時点で5杯くらいは入れたと思う。 さらに生クリームもコップ一杯はいれた。 最初に作った量が少なかった為よかったが、 鍋は4/3くらいになった。試作のつもりだったから2人分くらいの予定が、すでに6人くらいは食べられる量だ。 それだけ水をいれてもやっぱりしょっぱい。 えーん。こまった。 捨てるか。それしかないよな。 誰も食えねえな。えーん。 とろみももうなくなったし。 とりあえず、レシピどおりにりんごを最後に 摩り下ろして入れてみよう。しょっぱいだけで こくがないから、りんごで甘さを出せば変わるかも。 ・・・・変わらない。 水を2杯足す。まだしょっぱい。 とろみをつけてみよう。 最初に作ったのと同じ量のカレールーを作る。 とろみはちょっとついたが、味はなにもかわらない。 更に水を足す。こうなったらしょっぱくなくなるまで足してやろう。 合計で10杯は足したか。ちょっとしょっぱい、位のところまで収まった。 コクもなにもなく、ただしょっぱいカレー味のとろみのついたものが出来上がった。これでは食えません。うっかりさっきホワンの友達を招待しなくて良かった。 捨てようか、と思った時ふとあるコマーシャルが頭をよぎった。 「りんごとハチミツここなっつ~ハウスバーモンドカレ~♪」 ココナッツはないが、ハチミツはあるかも。 それに、どんな料理もそうだが甘さを引き立てるには塩を、しょっぱさを引き立てるには砂糖をというじゃないか。(本当か?) 甘くなってお子様カレーにでもなればお子様ホワンに食わせればいいじゃないか。 よし、やってみよう。 今回はさっきの私とは違う。少し筒蜂蜜を加える作戦だ。 そりゃそうだろう。さっきぐうたらなまけたせいでこんなに ひどい目に合っているのだ。歴史から現在を学ぶのだ。 慎重に慎重に・・・。 「?!」 うまいぞ!うまいぞ~~~!! なんだ、ハチミツ足せばカレーになったじゃないか! コンだけの量があっても食べ切れるかもしれないぐらいうまいぞ!でかしたな、あつこめ! ということで、敗者復活戦で見事にランクインしたカレー。 ハチミツを入れるだけでカレーは美味しくなるのだ。 どんな過程を踏んだカレーもハチミツをいれればいいのだ。 それをホームページで書いてくれていればこんなにすったもんだしなくてすんだものを。感じの悪い彼女を演じたのも カレーに翻弄されてたからなのだ。普段はもう少し愛想のある 奴なのだ。それもこれもホワンの大事な友達とのご飯も棒に振ってまで作ったカレーのせいだ。作り終わって急いで居酒屋にいったがもうだれもいなかった。こんなカレーを一瞬憎んだときもあったがいまではハチミツという仲介役によって和解できた。 とにかく、奇跡の復活を遂げたカレーであった。 これで、海外でもつくれる日本食が一品増えたぞ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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