健康コラム

2015/11/17(火)08:07

メタボとサルコ

健康(245)

 メタボリックシンドロームは内臓脂肪型肥満に高血糖、高血圧、脂質異常症のうちの2つ以上を併発した状態を指すのですが、メタボの愛称で内臓脂肪型のお腹の出た肥満を指す言葉として定着してしまっているように思えます。  メタボは自覚症状が希薄なまま症状が進行してしまう生活習慣病のリスクを高めてしまう要因の一つとして、日常的な生活改善を通して是正すべき状態とされながら、なかなかメタボの状態から脱却するのは難しい事ともいわれます。  そんなメタボに加え、新たな肥満の形ともいえる「サルコぺニア肥満」がいわれるようになってきています。サルコペニア肥満とメタボとの最大の違いは、メタボがお腹が出て如何にも肥満という体型になってしまっている事に対し、サルコぺニアでは必ずしも体型が肥満型ではない事もあり、回りや本人も肥満の状態になってしまっている事に気付かないとされます。  メタボは筋肉量に関係なく内臓に脂肪が溜まる事で起こりますが、サルコぺニアは筋肉量が著しく減少した状態にあり、加齢によって筋肉量が減少する中年以降に多く見られる傾向があります。  サルコぺニアの怖ろしいところは、筋肉量が減少してしまっているために基礎代謝が下がってしまっていて、肥満しやすい状態にあり、それを気にして食事制限だけのダイエットを行ってしまうと余計に筋肉量が減少してしまい、サルコぺニア肥満を助長してしまう事にあります。  人は誰でも加齢によって筋肉量が減少するとされ、その速度は生活習慣の違いや個人差もありますが、40代で年間1%、60代では年間5%もの筋肉量が減少してしまうとされます。体型はそれほど変わらないので気にしないともいわれそうですが、サルコぺニア肥満は通常の肥満と比べて生活習慣病になるリスクが13倍も高いという研究結果もあり、侮れない肥満という事ができます。  日頃から筋肉量は減少し続けるものという事を意識して、軽い筋トレなどの習慣を付けておく必要があるのかもしれません。

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