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認知症の発症と言うのは生活習慣特に食生活と深い関わりがあるそうだが、認知症を予防するための食事法については世界的に研究が進められているという。米シカゴのラッシュ大学医療センターで考案されたアルツハイマー病を予防するための食事法の効果が発表されたそうなのだが、認知症になっていない高齢者923人を対象に平均4年半にわたる観察を続けた結果は厳密に「マインド食」と呼ばれる食事を行ったグループは、少ししか実行していないグループに比べてアルツハイマー病を発症するリスクが53%も低かったという結果が出ているというのだ。また心臓病の予防効果やダイエット効果が確認されている地中海食そして高血圧を防ぐために米国で考案された「ダッシュ食」という。
脳血管性認知症は脳梗塞後に発生しやすいと考えられている認知症のため多発梗塞性認知症とも呼ばれているが、予防方法の基本は脳血管疾患の食事と共通しているという。認知症の予防に大切なことは脳の健康を維持することで、生活習慣病の改善と食事からの老化予防だという。マインド食は比較的食卓に取り入れやすい食材が多く実践しやすく、お酒が苦手な人はワインを緑茶に置き換えられるし、牛肉や豚肉なども週4回以下なら問題ないという。マインド食の実践の前に日本人の食事でもっとも気をつけたいのが減塩で、医師は「日本人は食塩摂取が高血圧につながりやすい体質ですが、平均食塩摂取量は男性がおよそ11グラム、女性が9.2グラムと世界中でもっとも塩分を摂取する民族の一つです」と語っている。
食生活の是正は潜在的に認知症リスクを軽減する可能性があるが、果物の重要性や認知機能維持に必要な野菜や果物の量については不明だという。中国の香港中文大学の教授によるとWHOにより推奨されている野菜や果物の1日の最低必要量が、認知症リスクを低下させる独立因子であるかを検討したという。世界的な科学雑誌のオンライン版での報告では住民ベースの観察研究で、香港の高齢者保健センターに通院している中国人高齢者1万7,700例のベースラインの食生活を調査し、6年間の認知機能状態をフォローしたという。WHOのレコメンデーションに従い、最低摂取カットオフ値を野菜3サービング/日と果物2サービング/日と定義し6年後の認知症発症をアウトカムとしたという。
効果的とされる栄養素を含め総合的にバランスの良い食事をとることが重要だというが、優れた食事法をベースにして認知症の予防を目的にと新たに考案された食事法であるのだが、このマインド食の推奨食材となっているフルーツがブルーベリーなどに代表される「ベリー類」だという。ベリー類は優れた抗酸化作用を持つアントシアニジンなどのポリフェノールを豊富に含んでおり、70歳以上の女性約1万6000人を対象にした研究ではベリー類の摂取量が多い人は認知機能の低下が最大2.5年遅いと報告されているそうなのだ。日本人が大好きなイチゴ類でも効果があるとされ、血管性認知症や脳卒中がアルツハイマー型認知症の発症や悪化に関係することがわかってきたからだというのだ。
減塩は「味気ない、おいしくない」イメージがあるがその常識を覆したのが「かるしおレシピ」と呼ばれる病院食で、1食当たり塩分2グラム未満ながら入院患者からおいしいと評判だというのだ。その理由は「だし」でその病院の栄養士によると「だしでしっかり下味をつけることで、塩はほんの少しだけで済みます。さらに彩りや盛り付けを工夫し、品数も多くして目でも楽しめるようにもしています」と語っている。マインド食と減塩の2つを食卓に取り入れ健康的に年齢を重ねていくことが対札だが、効果的とされる栄養素は多様で結局のところこれさえ摂っていれば予防できるというものはないという。栄養成分は私たちの体の中で互いに複雑に作用し合っていてそのメカニズムはいまだブラックボックスの中だというのだ。
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最終更新日
2019年07月28日 01時31分31秒
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