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強烈な臭いを放つカメムシが大発生していて都会でも姿を見せているそうなのだが、カメムシは7月頃から餌となるスギやヒノキの実がなる山林へ移動してそこで産卵し親の世代は死ぬのだが、いま都市部で目に付くのは繁殖前の親世代だという。昨冬は1898年の統計開始以降2番目の暖かさで多くのカメムシが冬を生き延びたとみられており、再び動き出す先月の平均気温も今年は平年比で2・76度高く暖かいほど活発になるカメムシにとって好条件がそろっているという。この時期は山林にいるはずだが昨秋の大発生で越冬数が平年よりも多く、餌を求めて都市部にまで飛来して時期外れの目撃につながっているようで、郊外では収穫前の果樹への被害も懸念され多くの自治体が相次いで注意報を出しているという。
この状況を受けホームセンターでは関連商品の売れ行きが伸びているそうで、殺虫剤コーナー担当者は「去年と比べて70倍、80倍の売り上げ数量。売れるのはカメムシに関しては1番が9月あたりの秋ごろです。ただ今は4月もすごく好調に推移している」と語っており、商品の確保に苦労するほどの売れ行きだということでこの会社では店舗間で在庫の調整をしているそうなのだ。さらに生活に関わるような被害も出ていて、これから桃の収穫シーズンを迎える和歌山県の農家を訪ねると「ここらも全部、被害出てるんで。カメムシに吸われたんやと思う。商品価値もないので、被害がある実を落としていく」というが、果実が成長した後にカメムシの被害にあうと出荷できなくなることからこの農園でも早め早めに駆除をしているそうなのだ。 農林水産省によると現在果樹を狙うカメムシに関する注意報が13府県で出ているそうで、警戒の対象は主に「ツヤアオカメムシ」・「チャバネアオカメムシ」・「クサギカメムシ」などで、各自治体は薬剤の散布や果実への袋掛けなどの対策を呼びかけているそうなのだ。こうしたことから和歌山県では毎日カメムシの発生状況を調べていて、和歌山県のうめ研究所ではカメムシの数を集計する機械を設置しているが、夜に灯りに誘われてカメムシが集まってくるということなのだが一晩でその数1278匹もいたそうなのだ。和歌山県果樹試験場うめ研究所の裏垣翔野研究員は「10年間以上調査しているんですけど、いまが多分一番多い」と語っているが、私の住む愛媛県でも越冬数が平年の4倍だといい過去10年間で最多だと警戒している。 半年の間に2度の大量発生でいったいカメムシの世界では何が起きているのかというと、伊丹市昆虫館学芸員の長島聖大氏は「去年の秋が、もう今まで見たこともないぐらいの量だったので、それがそのまま冬越しをして、今その冬越しから明けたものが、色んな所に飛び交ったりしているので、今まで見たことないぐらいの量の春のカメムシがいる。今、活発に動いているカメムシは、夏ごろまでには産卵を終えて死にます」としたうえで、また秋に大発生するかは専門家でも予測が難しいそうで、「スギとかヒノキの実が、主なエサの資源として重要になってくるんですけど、それがことし多いか少ないか。条件がすごく複雑に絡み合うので、予測はまずできない。予測は全然ついていないです」と語っている。 農林水産省によると今季は花粉の飛散量が少なくスギやヒノキの実もそれほど多くない可能性があり、秋に山で餌不足に陥ったカメムシが都市部や果樹園にまた飛来するのではないかとみているそうなのだが、京都大学昆虫生態学の藤崎憲治名誉教授は「越冬数が多く、夏にかけて果樹に被害が出る恐れがあり、引き続き注視が必要だ」と呼びかけている。春に再び大発生しているカメムシなのだが、カメムシは紫外線の光に寄ってくるので照明をLEDに切り替えることがおすすめだそうで、十分な対策をとって刺激せずに過ぎ去るのを待つしかないのだという。ただこの先例えば柿・桃・梅などの農作物への被害が大量に出て損害が生じるとなると値段が上がる恐れがあり、私たちの生活に関わってくる問題になるかもしれないという。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年05月11日 02時04分13秒
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