上尾市議 尾花あきひと氏 ブログ
条例案の審査が始まると、細部の詰めや 執行部からの説明に不明瞭な答弁が多く、各会派の議員から
「不当要求行為の基準を客観的に設定し明確化すべき」
「不当要求行為者が市長・教育長等といった特別職だった場合の対応は」
「コンプライアンス委員会の委員の選定基準をより明確化すべき」と様々な意見が噴出。
また、条例や内部通報のフローに関して「規則で定める」とされている部分について質問が及んだ際には、市から「規則については、決まっているものについてはお見せすることはできる」「規則は今8、9割程度完成している」という答弁が。
議員から「8、9割では審査の対象にならない。採決に不十分」との意見が出てきました。
更に、不当要求行為等があった場合の通報制度について「職員が所属長を一度通して報告を上げるフローとなっているが、万が一報告を受けた所属長が報告しなかった場合に、告発した職員自身が状況を知りえない仕組みになっている」と指摘があり、対する市の答えは「職員本人だけでなく周りの人も状況を確認しながら体制を整えていくことが組織的対応の強化と考えている。それにより内部組織をきちんと回すことで、本人に通知しなくてもいいような組織風土を作ることが、上尾市として重要と考えている。」といった内容で、不正の再発防止にあたって このような属人的な制度で十分なのか?との疑問が出てきました。
審査を進めていく中で複数の会派から「職員側の条例制定については前向きにとらえているが、現状では審査困難といわざるをえない」との意向があり、最終的に会派政策フォーラム所属議員から「慎重に審査する必要があるため、閉会中の継続審査とされる事を望みます」と、継続審査の動議が提出。
その結果 全会派が一致して、この議案を「今議会での採決を見送り 継続審査の扱いとする」事で決定しました。
なお、職員倫理・コンプライアンス意識向上の体制づくりのための費用を含む補正予算案については 全会派一致で可決。
つまり「予算そのものは承認したが、条例の細部は慎重審議が必要」という形となり、今議会での条例制定は先送りになりました。
この6月13日の総務委員会時点での感想を記しておくと、市の答弁の結果、議会として審査困難という結論に達さざるを得なかった状況は、自治体として残念な状況ですし 危機感を感じざるを得ないのが正直なところでした。
(職員が襟を正す条例案ゆえ 議会側も前向きに臨んでいたにも関わらず、です)(抜粋)