①敵基地攻撃能力の技術的側面と ②世論の変化について、 調査結果を踏まえて掘り下げていきましょう。
では、①敵基地攻撃能力の技術的側面と②世論の変化について、調査結果を踏まえて掘り下げていきましょう。---## ① 敵基地攻撃能力の技術的側面### **トマホーク巡航ミサイル**米国製の巡航ミサイルで、音速に近い亜音速で低高度を飛行し、敵の防空網をかいくぐるような飛行経路を設定できます。日本政府は最新鋭のブロックⅤ(5)で対地攻撃に特化したものを取得しています。**主な特徴:**- イージス艦の発射装置に搭載すれば、呉からなら北京まで、佐世保からであればさらに南の広域までを射程範囲とできます- 厚い壁を貫通し、無数の破片が飛び散って内部を破壊することが可能な弾頭を搭載- 防衛省は海上自衛隊のイージス艦全8隻をトマホーク配備可能にする計画で、2025年度からの配備を目指しています**技術的な限界:**ただし、トマホークには重大な制約があります。長距離巡航ミサイルは移動する目標への攻撃は困難で、最大射程で撃った場合には目標到達まで4時間弱かかります。一方で弾道ミサイル移動式発射機は1時間程度で発射準備を整えてしまうため、移動目標には有効性が限られます。また、同じ重量分の精密誘導爆弾に対して威力が低く高価な兵器で数は揃えることができません。米軍でも開戦初頭の第一撃用と位置づけており、継続攻撃には限界があります。### **国産ミサイル:12式地対艦誘導弾能力向上型**日本は国産の長射程ミサイル開発も進めています。12式地対艦誘導弾をベースに開発中の新型ステルス巡航ミサイルです。**主な特徴:**- 現在の射程約200kmから約1000kmに延長- 低RCS(レーダー反射断面積)のための工夫がなされており、敵のレーダーに捕捉されにくい形状- 衛星経由でのデータリンクも搭載し、目標の位置情報などを逐次更新可能- 地上車両(地発型)、艦艇(艦発型)、戦闘機(空発型)という3つのプラットフォームから運用**配備状況:**地上発射型は年度内にまず熊本へ配備し始め、艦艇や戦闘機から発射するタイプは2027年度に運用開始予定となっています。### **島嶼防衛用高速滑空弾**もう一つの国産兵器として高速滑空弾も開発中です。通常の巡航ミサイルと異なり、極超音速で飛翔するため迎撃が非常に困難です。---## ② 世論の変化### **賛成派の増加傾向**敵基地攻撃能力(反撃能力)保有をめぐる世論は、時期によって大きく変化しています。**2020年:**日本経済新聞の世論調査では賛成37%、反対55%と、反対派が多数でした。**2022年:**しかし、ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮のミサイル発射頻発を受けて状況が変化。共同通信の調査(11月)では賛成60.8%、反対35.0%と、賛成派が大幅に増加しました。**閣議決定後(2022年12月):**安保3文書改定の直後にも複数の調査で賛成が5~6割程度を記録しています。### **世論調査の質問方法への疑問**ただし、質問は「反撃能力」との呼び換えも含めて政府の主張を前提に賛成か反対かを尋ねており、政府の主張に疑義が多数示されていることを質問に加えるべきではないかとの指摘があります。具体的な問題点:- 「反撃」という言葉を使いながら、実質的には攻撃を受ける前の先制攻撃も想定している- 技術は現在なく、開発にどれだけの時間と費用がかかるか明らかになっていない点が質問に含まれていない- 安全保障のジレンマ(軍拡競争)への懸念が示されていない### **地域差:沖縄の世論**興味深いのは、地域による差です。沖縄の世論調査では反対55.6%、賛成25.1%と、全国とは逆の結果になっています。反撃能力保有について「緊張関係は高まる」と捉える意見が61%を占めており、実際に配備が想定される地域では懸念が強いことがわかります。### **防衛費増額への複雑な反応**防衛費増額については、さらに複雑です。防衛費をGDP比2%以上にすることに賛成55%、反対33%(2022年4月・日経)と賛成が多い一方、防衛費増税については世論調査で反対が71%を占め、76%の人が選挙で民意を問うべきと回答(2023年1月JNN)しています。つまり、**「防衛強化は必要だが、自分が負担するのは嫌」という本音**が透けて見えます。財源については「防衛費以外の予算の削減」が最多の34%で、「増税」は9%に留まりました。### **世論変化の背景**世論が変化した主な要因:1. **ロシアのウクライナ侵攻**(2022年2月)による危機感2. **北朝鮮の頻繁なミサイル発射**3. **台湾海峡をめぐる緊張**の高まり4. メディアでの「抑止力」という言葉の多用---## 技術と世論のギャップ興味深いのは、技術的限界と世論のギャップです。専門家の間では、トマホークや国産ミサイルだけでは移動式ミサイル発射機を無力化できないという認識が共有されていますが、一般の世論調査ではこうした技術的限界はほとんど考慮されていません。また、「反撃能力」という言葉の印象と、実際の運用(攻撃着手段階での先制攻撃も含む)との間にも乖離があります。このあたり、ブログの続編でどう掘り下げますか?技術面の詳細を深めるか、世論形成のプロセスに焦点を当てるか、あるいは両者のギャップを問題提起するか—どの方向性に興味がありますか?