サンガンピュールの物語(女科学者)EL-エピローグ-その後、久米奈緒美は他の仲間とともに起訴された。問われた罪は殺人準備罪で、懲役5年だった。仮釈放は認められないだろう。久米奈緒美にとっては絶望の日々になるのは間違いなかった。応援を志願した少女に、自分の娘に裏切られ、交通事故がきっかけで逮捕という屈辱的な結末となった。 さらに痛手となったのは、Kが書いた手紙が公判の中で紹介されたことである。もはやあたしが生きていけるような社会ではない・・・。彼女は絶望感を感じたのだろうか。そして彼女が刑務所に移送される前の日のこと。久米奈緒美は水戸拘置支所の独居房の中で首吊り自殺を図った。 その翌日、彼女の自殺に関する新聞記事を読んだKは思った。 「やっぱりね。極端な考えというのは簡単に社会に受け入れられないんだよ」 地面のアスファルトの臭いが強く感じる9月のことだった。 サンガンピュールの物語(謎の女科学者編)・完 (あとがきに続く) ジャンル別一覧
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