台湾新幹線の開業予定日が12月7日に決まった。私は「とうとう来たか…」と思った。台湾に新幹線が建設中と初めて知ったのは、いつ頃なのかは分からないが3年くらい前から認識していたと思う。そして2004年1月末に台湾新幹線で使用される、700T型電車が公開された。日本の新幹線システムを使った高速鉄道が、遂に海外で実用化されると思うと…私は日本人として大変うれしくなる。しかしここまでは平坦な道では勿論なかった。
構想段階ではヨーロッパ式のシステムを採用し、ヨーロッパの高速列車(TGV、ICEなど)みたいに編成の両端に連結された機関車が客車を引っ張るタイプの車両が考えられていた。しかし台湾は日本と同じく、地震の多い地域だ。'98年夏にICEの大きな脱線事故が起き、約100人の死者を出すと、'99年には巨大地震が台湾を襲った。ヨーロッパ式の車両は台湾に合わないと分かった運営会社は、地震に強い列車管理システムを実用化していた日本連合と受注契約を結んだのだ。こうして開発された車両が、上述の700T型(12両編成)である。
しかし工事は順調に進みはしなかった。運行システムが日本とヨーロッパの混合型だったためにシステムが複雑化し、当初開業予定だった2005年10月には到底間に合わなかった。さらには架線の銅線を抜き取られる事件も発生し、2006年内に開業できるかどうか不安視されたのだ。
しかし昨年11月には時速315km/hでの走行試験を成功させ、開業時に使用される車両も全て揃った。工事も順調(?)に進み、遂に今回の開業日発表と相成ったわけである。だが路線の北端(南港付近)と南端(高雄中心部)は工事が大幅に遅れているため、その区間が開業するのはまだ数年先のことだ。
いずれにせよ、冒頭で書いた通り、いよいよ日本の新幹線システムは遂に海外に輸出される。しかもそれが日本とは友好的と言われる台湾へだ。もし台湾で「やはり日本式にして正解だった」というコメントを聞くことができたら大変うれしいし、ある意味で誇りを持つこともできると思う。いよいよ走り始める台湾新幹線、大いに期待しています。
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Last updated
Oct 28, 2006 09:40:07 PM
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