2017/01/29(日)18:09
三菱自動車、RVR開発担当部長2名の諭旨退職
2016年上市予定の三菱自動車のSUV、プラグインハイブリッドの新型RVRの発売を遅らせることが11月13日、分かった。
開発目標の達成見込が甘く、リスクの報告などが適切でなかったことなどから「上司に対する適切な報告を怠った 」 として同社は担当部長2人を諭旨退職処分。
諭旨退職とは、会社が決めた期日までに自主退社(自己都合退職)しなければ懲戒解雇となる処分。
自主退職を認めているが、諭旨解雇とほぼ同等。
相川哲郎社長は役員報酬の一部を自主返納。
常務執行役員が執行役員に、品質統括本部長が部門長補佐にそれぞれ降格。
処分は11月1日付と報じられた。
開発の遅れにより、発売時期も1年ほど後ずれさせる予定。
RVRは、三菱自動車の販売の約2割を占める看板車種。
2014年のRVR系の販売実績は、世界販売109万台のうちの20.5万台。
三菱自動車の部長2人が「ホウ、レン、ソウ」を怠ってクビに
2015年12月8日 7時0分
NEWSポストセブン
11月下旬、三菱自動車が2016年度に予定していたスポーツ多目的車「RVR」のフルモデルチェンジを3年延期することが明らかになった。同社関係者が明かす。
「RVRは三菱自の販売台数の2割を占める主力車。モデルチェンジでは車両を軽量化し、燃費を改善したガソリン車と、家庭用電源で充電可能なプラグインハイブリッド車の2車種を発売する予定だったが、開発の遅れが響いて軽量化を実現できなかった。すでに販売計画まで発表されていたこともあり、損失額は少なくとも100億円を超えると見られる」
円安の追い風を受けて好調な業績を続けていた同社の今期上半期(4~9月)の経常利益は584億円。今回の開発遅れで、経営戦略の大幅な見直しは避けられない。
…(略)…
三菱自広報部は真っ向から否定する。
「国土交通省への虚偽報告といった、法令違反は一切ない。あくまでも社内的な問題で、きちんと上司に報告しなかったということがすべて。弊社への影響だけでなく、最軽量車種の投入が遅れることで、国内外の販売会社に多大な迷惑をかけてしまう。その事態を重く見てケジメをつけたということです」
事実を正しく報告することは、会社員として当然のこと。
ただし、200年(乗用車部門)、2004年(トラック・バス部門)と国土交通省への大規模なリコール隠しを連発した三菱自動車のことなので、上司が耳障りの悪い報告を聞く耳を持っていたのかは、大いに気になる。
東芝の「チャレンジ」とは違うのだろうが、開発担当部長に過度のプレッシャーを与えていなかったか。
「開発レベル」の未達、「開発日程」の遅れを「絶対に許さない」空気はなかったのか。
事実の根拠を示して「No」と言うことが即、会社を去るのと同義なら、「No」と言えないのと同じこと。
東芝もチャレンジに「No」と言って辞めていった管理職が複数いたと聞く。
最近は聞かなくなったが終身雇用制も弱まり「宮仕え」の内容も変わってきた。
かつては「クロ」を会社が「シロ」と言えと言われたらその通りにするのが「ヨシ」とされた。
今は「クロ」いものは「クロ」と言わないと、会社も個人も社会から制裁を受ける。
ケジメをつけるヒトが本当に適切なのか。
三菱自動車は社内の過度のプレッシャーを当たり前、役責に応じた普通のことと思っていないか、公開されることはないだろう事実を知りたくなる。