テーマ:電気自動車(292)
カテゴリ:EV 電気自動車
三洋化成工業が、電極を含めたほぼすべての構成要素(電極、集電体、セパレーターなど)を樹脂で形成する「全樹脂電池」を量産化するという。 時間のかかる乾燥工程が不要とあり設備投資を抑制できる。 電池のエネルギー密度は従来の2倍以上、材料コストは半減するという。 日産自動車でEV用のLiBの研究開発を行なっていた、堀江英明 慶應義塾大学特任教授が設立したベンチャー企業APBを三洋化成工業が2019年2月に子会社化し、本格的に量産を目指すことになった。 全樹脂電池は活物質の粉末を電解液に混ぜ込たペーストを樹脂フィルム上に塗り、それを電池構成部材のセパレーターとともに重ねたシンプルな構造。 全樹脂電池の特徴 ・構成要素が樹脂のため安全性が高い。 ・端子やセル間の隙間が不要。 ・一部が短絡しても発熱しない。 ・重ねるだけで並列接続できる 下記は2018年に報じられた記事。 高容量「全樹脂型」 2018年7月5日 京都新聞 三洋化成工業は2020年度をめどに、開発中の新型リチウムイオン電池(LiB)を製品化する。 新しい製造法を用いて機能性を高めた「全樹脂型」の製品で、大規模蓄電池などの幅広い用途での展開を目指す。 10年後には電池事業の売り上げ規模を1千億円程度に育てる考えだ。 同社や関係者らによると、開発中のLiBは、集電体の材料を通常の金属箔(はく)から樹脂製フィルムに変更。 電極材の物質も樹脂で覆う。 樹脂を用いることで製造工程を大幅に簡素化。 安全性が高く、高容量化も可能になる。 例えば、これまででは作れなかった大型の蓄電池を安価に生産したり、3Dプリンターで複雑な形状の製品を作れたりするという。 用途には、工場やビル、発電所で使う定置型の蓄電地などの産業用途を想定。 ウエアラブル端末などへの展開も視野に入れる。 同社のLiBに関する特許を調べると、日産自動車と共同で出願したものもあり、両社で車載用への展開を検討している可能性もある。 …(略)… 2018年12月10日、日産自動車は車載電池子会社を中国のエンビジョングループに売却する予定を前倒しすると発表。 全樹脂電池の量産化に目途がついたためだったのだろうか。 トヨタ-パナソニック、日立造船、FDKなどが取組んでいる「全固体電池」の量産化の進捗状況はどうなのだろうか。 EVの将来は、安価で高性能な電池の量産化にかかっている。 -界面抵抗低減の指針を確立し実用化の道拓く- 2018/11/23 産総研 要 点 ・ 固体電解質と電極が形成する界面において規則的な原子配列が低抵抗界面形成の鍵であることを発見 ・ 表面X線回折(用語1)により界面の構造を精密に解析 ・全固体電池の開発指針を与え、実用化に向けた重要な一歩
…(略)… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年06月23日 16時00分09秒
コメント(0) | コメントを書く
[EV 電気自動車] カテゴリの最新記事
|
|