カテゴリ:環境・自然災害
二子玉川での多摩川の氾濫は堤防建設が遅れていたためらしい。 1974年の東京都狛江市で起きた堤防の決壊と家屋の流失は、多摩川がおとなしい川ではないことを人々の記憶に残した。 忘れられた明治・大正・昭和の教訓 窪田順生:ノンフィクションライター 2019.10.17 DIAMOND online 台風19号で氾濫した多摩川。 二子玉川周辺では「こんなことは初めて」というコメントが多く出ているが、歴史を遡れば一度どころか、何度も何度も多摩川は氾濫していることがわかる。 人間は大きな自然災害に見舞われても、何十年かすればすぐに忘れる生き物。来ることは「確実」と言われている首都直下型地震や南海トラフ地震についても、今一度、歴史を謙虚に検討してみる必要がある。 (ノンフィクションライター 窪田順生) 「長く住んでいるが、こんなことは初めてだ」――。 そのように嘆く人たちが多くいらっしゃる、東京・二子玉川の河川氾濫被害を受けた地域から、多摩川沿いに5キロ弱ほど上った河川敷にポツンと、ピラミッドのようなモニュメントがある。 表面には時の流れを感じさせるパネルに「多摩川決壊の碑」とあり、裏面の碑文にはこんな言葉で締められている。 「ここに、水害の恐ろしさを後世に伝えるとともに、治水の重要性を銘記するものです」 今から45年前の1974年9月、台風16号によって生じた激流が堤防を260メートルに渡って崩壊させて、民家19棟が流された。 首都圏の閑静な住宅地にやっとの思いで建てたマイホームが、濁流へ無残に飲み込まれていく光景は全国のお茶の間に届けられ、日本中に水害の恐ろしさを、まざまざと思い知らせた。 それから2年、TBSがこの悲劇から着想を得たドラマ「岸辺のアルバム」を放映する。 それまでの家族ドラマの概念を打ち砕くテーマ設定は大きな注目を集める一方で、現実に家を失った人たちは「人災だ」として国の河川管理に瑕疵があったと提訴した。 ― 引用終り ― TBS系のテレビドラマ(15話)。『岸辺のアルバム』は1977年6月24日から9月30日まで放送された 原作・脚本は山田太一、プロデューサーは堀川敦厚。 倦怠期を迎えた夫婦の危機と子供たちが大人になる過程での苦悩、家族が崩壊していく。 最後に水害により一見平和に見える新しい家が眼前でなすすべもなく激流に流される。 平凡な中流家庭のささやかな幸福が崩壊する。 この作品の背景となったのが1974年の多摩川水害。 この水害で多摩川の堤防が決壊し、岸辺にあった19棟の家屋が崩壊・流出した。 濁流で土地徐々に削り取られ、家が流されるシーンは、実際の報道映像が使用された。 【多摩川水害訴訟】 1976年9月、家を失った住民らが多摩川を管理する国を相手に損害賠償請求の訴訟を起こした。 一審は原告の住民が勝訴。 控訴審は国が勝訴。 上告審で破棄差し戻しとなり差戻控訴審で住民が勝訴し、確定。 1974年多摩川水害(狛江水害)の際は、昭和49年台風第16号により堤防が決壊した。 堤防があっても「絶対安全」はない。 自然の脅威に慄くばかりだ。 堤防建設問題を反対派と国交省に直撃 《台風19号水害》 「週刊文春デジタル」編集部 2019/10/16 文春デジタル
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無堤防の500mは、景観重視の住民が反対していたそうですから、自業自得でしょう。
(2019年10月21日 17時06分33秒)
住民は全員無事。今はどんな表情をしているのかな。
(2019年10月21日 21時44分41秒)
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