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2019/11/09(土)16:00

安倍・李「21分会談」の内容

韓国、北朝鮮(337)

​​​​ 日韓首相会談で何が変わったのか。​ 結論から言えば「何も変わらなかった」。 特に日本政府の姿勢は一貫していた。 韓国・李首相は、日韓関係改善のために努力した、ということになっている。        ​​ GSOMIA、大法院・徴用工判決について、何ら進展がなければ、安倍政権、日本政府の韓国に対する政策に変化は起こらない。 会談でも、親書にも、それらに関する内容はなかったようだ。        ​​ 日韓関係の悪化ばかりでなく、米韓関係も悪化。 GSOMIA破棄は日本側の不利益にならないが、米国の激しい怒りをかった。 安全保障関係では、韓国に様々な「踏み絵」を迫る米国の対韓外交は続く。 南北統一については、身動きの取れない文政権は北朝鮮から「No」を突き付けられている。 2016年に「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の在韓米軍配備を公表して以降に、中国政府がとった「限韓令」はいまだとけていない。 外交面ではまさに八方塞がり。 世界経済の停滞と経済無策の時期が重なり、韓国内景気は低迷し、文政権の意図に反する非正規化が進展。        ​​ 外交、経済とも苦しくなった韓国は、さらに「反日」強硬論が台頭する。 日韓関係は負のスパイラルに陥っているが、文政権と反日勢力は気付こうとしない。        ​​韓国が“八方ふさがり”打開を狙った、​安倍・李「21分会談」の内幕​牧野愛博:朝日新聞編集委員2019.11.1 DIAMOND online  …(略)… 結局、徴用工問題と同様に懸案となっている、日本による韓国向け輸出管理規制措置の強化や日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)延長問題については、最後まで触れられることはなかった。        ​​ 会談後、韓国側は文大統領の親書に、「日本は北東アジアの平和のための重要なパートナー」「韓日両国の懸案を早期に解決するよう努力しよう」という内容が含まれていたことを明らかにし、関係改善の取り組みを続ける意欲を持っていることを改めて強調した。 李首相は会談結果に大いに満足したという。 日韓の関係改善の一歩を踏み出したという確信からだったのか、あるいは次の大統領選に向け、「日韓関係改善のために努力した政治家」というイメージ作りに成功したことへの満足感だったのかは、定かではない。        ​​「進歩派の論理」修正 「八方ふさがり」の打開図る 首相官邸周辺によれば、安倍首相は周囲に対し、「問題なのは韓国ではなく、文在寅政権だ」と語っているという。 それほどまでに、文大統領との個人的な信頼関係は破綻している。 ただ、韓国側の関係修復の動きは、文大統領が、「ネロナンブル(他人がやれば不倫だが、自分がやればロマンスという意味で、自己中心主義を指す造語)」とやゆされてきた硬直した政治路線から脱却しようとする変化の表れでもある。 きっかけは10月3日、ソウル中心部で40万人以上が参加したとされる「反文在寅集会」だった。  腹心の曺国法相の数々の疑惑噴出を機に、政権への批判が強まっていることへの危機感がある。 文氏は7日、大統領府の幹部会議で、「国民の多様な声を厳粛な気持ちで聞いた」と発言。14日には、曺国法相は辞任した。 曺国氏は、自身のフェイスブックに日本企業に韓国人元徴用工らへの賠償を命じた大法院判決について、「(判決を)否定や非難、歪曲する人は親日派(売国奴の意味)と呼ぶべきだ」と投稿。 自身の政治姿勢を、過去の抗日独立運動などに重ね合わせた。 文政権は、曺氏の動きに代表されるように、「(進歩・左派)陣営の論理」を過度に重視する政権と言われてきた。        ​​ すなわち、南北融和を図り、米韓同盟への過度な依存を嫌い、歴史認識問題では日本の責任を追及するという、進歩・左派の主張をそのまま政策として取り入れてきた。 逆に、保守・右派や彼らが頼りにしてきた日米の主張は原則的に無視してきた。 だが疑惑への国民の関心が強まる中で、曺氏の動きは、「抗日・反日運動を、自身の疑惑隠しに利用した」との国民の不信を招いた。韓国では「親日派」というレッテルを貼られることを嫌がる国民感情があるからだ。 文政権自体も曺氏を巡る疑惑では、「検察改革は必要不可欠」という進歩・左派の「陣営の論理」を強調してきたために、曺氏に辞任を迫る時期が遅れるという失態を招いた。 文大統領の「国民の多様な声を聞いた」という発言は、こうした「陣営の論理」を乗り越えて、新たな政治手法を模索する意欲の表明だった可能性がある。 大統領の姿勢の変化で、政権内でも日韓関係の改善を望む声が相対的に大きくなっている。 たとえば、日韓GSOMIAについては、鄭景斗国防相や金尚祚大統領府政策室長、南官杓駐日韓国大使らが相次いで、GSOMIAが有益だという発言を繰り返している。 韓国政府はこれまで、日韓GSOMIA破棄は文大統領の決断だったとしてきた。 また、韓国では大統領がさまざまな人事権を一手に握り、非常に強い権力を握っている。 こうした中で、GSOMIA延長を望む声が政権内から公然と上がっているのは、文大統領自身の姿勢の変化を反映した結果だとみられる。 また韓国内では、日韓の険悪な状態が経済や安全保障に悪影響を及ぼすことへの危機感が強まっている。 GSOMIA破棄を決めた韓国に対し、米国は重ねて懸念する考えを伝え続けている。 経済成長率は2%を切る可能性が高まっているし、文政権が「朝鮮半島に平和がやってきた」と喧伝した南北関係は破綻寸前だ。  ― 引用終り ― 約束を守らない韓国への融和政策、外交的妥協は許されない空気が日本に充満している。 安倍政権が文政権の「敵」ではないことを、韓国はどの程度理解しているのか。​​​

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