テーマ:高齢化社会を考える(41)
カテゴリ:少子高齢化 退職金/年金
日本では官僚主導で公的年金の財政ばかりが問題となる。 かくして100年たっても大丈夫な年金制度ができた。 北欧、西欧など文化的な国民の国家は、年金の所得代替率に焦点があたる。 なぜなら、年金で暮らせなければ「意味がない」からだ。 生活保護より低額の年金を支給しても疑問を感じない厚生労働官僚は、年金だけが自律して生き残る仕組みを考えた。 そこに年金暮らしの老後のビジョンはない。 実態は今後35年で27%減 30~40代が最も割を食う =栫井駿介 2020年1月30日 MONEY VOICE 年金は今後35年で「27%減」へ!? 浮き彫りになる政府の思惑 年金支給額「増加」でも喜べない? 厚生労働省が2020年度の年金支給額を発表しました。 前年比では0.2%の増加となったことで、これだけ見ると一安心と感じます。 しかし、実はこの改定、名目上は「プラス」ですが、よくよく見ると「マイナス」とも言える結果です。 その内容は、以下の毎日新聞の記事に書かれています。 厚生労働省は24日、2020年度の公的年金の支給額を前年度比0.2%引き上げると発表した。 物価や賃金の上昇を反映した本来の引き上げ幅は0.3%だが、年金額を抑制する「マクロ経済スライド」を2年連続で適用。 これにより、支給額はわずかに増えるが、物価・賃金の伸びよりは抑えられることになり、実質的な価値は目減りすることになる。 出典:公的年金伸び率0.2%に抑制 2年連続「マクロ経済スライド」適用 〓 毎日新聞(2020年1月24日配信) つまり、インフレで物価や賃金が上昇している中、年金の増加額はそれ以下に抑えられるということです。 このままインフレが続けば、年金額は「名目プラス、実質マイナス」が続きます。 35年で年金額は実質27%減少する さわかみ投信によると、物価上昇率2%が続いた場合、35年で年金額は実質27%減少すると言います。 3割減というと、かなりの金額です。 ここに政府の思惑が透けて見えます。 発表自体は「プラス改定」とできますから、批判を低減することができるでしょう。 もし、マクロ経済スライドについて追及されても、多少なら誤差の範囲とされるからです。 (しかし、上記のように積み重なれば大きな数値となります。) 目的は財政状態の改善 実質的な年金を減らした先の目的は、財政状態の改善です。 年金を含む社会保障費は、国家財政を圧迫しています。 高齢者が増加する以上、黙っていればひたすら支出ばかりが増えてしまう状況です。 そこで、30年かけででも実質3割も年金を減らすことができれば、その効果は数兆円単位となります。 これとインフレをあわせれば、GDP対比の債務残高と毎年の収支が同時に改善するというわけです。 いま現役の30~40代がいちばん苦しい もちろん、これで困ってしまうのは高齢者です。 しかも、あとから高齢者になった人ほど苦しい状況になります。 そう、一番苦しいのは、いま現役世代の30代・40代ということになるのです。 この世代の人口は65以下の歳以上の高齢者より少なく、選挙の投票率も低い傾向にあります。 政府は選挙対策として高齢者の顰蹙を買うことなく、一方では将来に向けた布石を打つことができるのです。 何ともよく考えられた仕組みです。 ― 引用終り ― 問題の所在は明らか。 将来年金を背負うことになる40代以下の世代が選挙に行かないことにある。 日本政府はいつまでたっても、付け焼刃の施策、「絵に描いた餅」の連続となる。 普通選挙が実施されている以上、将来の世代が政治にかかわることが少なく、その負担を負うなら、自己責任というよりも自業自得。
いつの時代も、肉体の衰えに気が付いているジジイは狡猾。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年02月09日 16時00分10秒
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