テーマ:人種差別(10)
カテゴリ:アメリカ
“Black Lives Matter”
2020年5月26日、丸腰の黒人男性のジョージ・フロイド氏が中西部ミネソタ州ミネアポリスで白人警官に首の根元を膝で押さえつけられて死亡した。 5月27日、不当な暴行死に抗議して、デモ、集会が全米各地で行われた。 複数の都市でパトカーが放火され、店舗から商品が盗み出される略奪が起きた。 複数の州が夜間外出禁止した。 5月28日、トランプ大統領は、略奪者を「ごろつき」とツイート。 「州兵を送り込む」、「略奪が始まれば、発砲が始まる」と書いた。 ツイッター社はこのツイートに「暴力賛美」と警告を表示した。 フロイド氏を殺害した警官・デレク・ショーヴィン被告と現場にいた警官たちは、当初、免職になっただけで逮捕されなかった。 5月29日、抗議活動が拡大した様子をみて、第3級殺人罪で起訴された。 その後、第2級殺人罪、第2級過失致死罪に引き上げられ再起訴された。 被告の同僚で事件現場にいた元警官3人も、被告の殺人と過失致死の罪を幇助した罪で起訴された。 6月1日、米国のトランプ大統領は1807年制定の「Insurrection Act(反乱法)」を発動し、陸軍の投入を含め、連邦政府の持つあらゆる手段を使って、暴動や略奪、攻撃や建物の打ちこわしなどを取り締まると述べた。 そして抗議する群集を催涙ガスで排除した後、ホワイトハウスから教会まで歩き、聖書を手に写真撮影に臨んだ。 連邦制の米国では緊急事態に各州知事の命令で州兵が配備されるのが通常。 国内の治安維持に陸軍(=連邦軍)が投入されるのは、きわめて異例。 反乱法が最後に適用されたのは、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領による1992年のロサンゼルス暴動に対して。 共和党の主な支持勢力であるキリスト教福音派などの支持を得ようとトランプ大統領が聖書を手に撮影に臨んだ。 このことが、米国だけでなく世界のキリスト者たちに人種差別撤廃の声を上げさせた。 黒人男性の暴行死に抗議 全米で続く トランプ氏を教会関係者や映画監督が批判 2020年06月3日 BBC NEWS JAPAN 白人警官に首を圧迫されて黒人男性が死亡した事件をめぐり全米各地で2日夜から3日未明にかけても、夜間外出禁止令を無視して抗議行動が続いた。ただし、前日に比べると暴力行為は少なくなった。一方で、前日のトランプ氏の行動に、キリスト教関係者の批判が高まっている。 中西部ミネアポリスでジョージ・フロイドさんが警官に暴行されて死亡したことに抗議して、複数の都市で数十万人が抗議した。8日目になるこの日の抗議行動は、多くが落ち着いたものだった。 …(略)… キリスト教関係者がトランプ氏に反発 トランプ氏は1日、ホワイトハウス近くのセントジョン米聖公会教会の前で聖書を持ち、写真撮影に臨んだ。 これに先立ち連邦公園警察などは、ホワイトハウス前の公園周辺で抗議していた人たちを催涙ガスやゴム弾などで排除していた。 これには、米聖公会ワシントン教区のマリアン・ブッド主教をはじめ多くの聖職者が、聖書や教会を「小道具」に使ったと強く反発していた。 ワシントン教区のマイケル・カリー大主教も、トランプ氏が聖公会教会を「政治的な目的のため」に利用したと批判した。 グレゴリー大司教は、トランプ氏の訪問に先立ち発表した声明の中で、カトリックはすべての人の権利を守るべきであり、トランプ氏が聖ヨハネ・パウロ2世国立聖堂を訪れたことは教会の教理に反すると述べた。 大司教はさらに、トランプ氏が前日に、ホワイトハウス近くの教会まで歩いて行けるよう、周辺で抗議していた人たちを強制的に排除したことも非難した。 大司教は、聖ヨハネ・パウロ2世なら「礼拝所の前での写真撮影のために、催涙ガスやほかの抑止力を使って(抗議者を)黙らせたり、追いやったり、威嚇したりすることは容認しないはずだ」と述べた。 グレゴリー大司教は、ワシントン教区を率いる初のアフリカ系アメリカ人。 英国教会の最高指導者、カンタベリー大主教とヨーク大主教は、この社会不安によって「白人至上主義の悪行が続いている」ことが露呈したと述べた。 カトリック教会のローマ法王フランシスコは、「人種差別は容認できないし、見えない振りをすることもできない」と非難しつつ、「暴力では何も得られないし、あまりにたくさんのものを失ってしまう」と述べた。 ― 引用終り ― 6月3日、米国防総省エスパー長官は、全米で続く大規模デモ鎮圧のために軍を動員することは支持しないと表明した。 6月7日、共和党穏健派のパウエル元国務長官がCNNテレビで、威圧的な対応をとってきたトランプ氏について、「合衆国憲法を逸脱しつつある」と批判した。 幅広いキリスト者の人種差別廃絶を求める声は、文化人にも広がり、ついに共和党支持者からもトランプ大統領不支持の抗議声明が発されるようになった。 英国、ドイツ、フランス、韓国、日本などで抗議デモが行われた。 自由と平等の破壊者・トランプ大統領により分断された米国は、トランプ大統領の人種政策の誤りにより一体化がすすめられた! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年06月19日 06時00分08秒
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