テーマ:航空業界(1760)
カテゴリ:民間航空
ドイツのナショナルフラッグキャリア、1926年設立のルフトハンザドイツ航空を中心とする、ルフトハンザグループも世界中の多くの航空会社と同様、各国の武漢肺炎感染拡大防止策による移動制限で業績に深刻な打撃を受けている。 4月23日、ルフトハンザグループは、第1四半期決算の速報値を発表。 調整後のEBIT(利払い・税引き前利益)は12億ユーロの赤字。 手元資金は約44億ユーロで、3月中旬以降に約9億ユーロを調達したものの、買掛金や航空券の払い戻しによる数十億ユーロの負債などを考慮すると、今後数週間で大幅に手元資金が枯渇するとしていた。 ルフトハンザ は、ドイツ連邦政府との間で90億ユーロ(約1兆400億円)の金融支援について協議していることを明らかにした。 金融支援の条件は、政府による株式の取得と、監査役会での1人から2人の指名だった。 5月9日、政府が議決権の25%プラス1株を保有する案も含め、ルフトハンザの存続を確実にするため複数の資本増強策を検討中としていると報じられた。 ルフトハンザが政府の公的支援を受けるためには、他に2つの大きなハードルがあった。 EUの欧州員会と株主・株主総会での承認だ。 5月30日、欧州委員会から求めらていた発着枠の放棄について、ルフトハンザはより有利な形で受け入れたと発表した。 Reuters Staff 2020年6月17日 Reuters 独航空大手ルフトハンザは、90億ユーロ(101億ドル)の公的支援が今月予定する臨時株主総会で承認されなければ、破産申請による資産保全を迫られる可能性があると表明した。 単独筆頭株主のハインツヘルマン・ティーレ氏は、公的支援策を激しく批判、持ち株比率を15%超に引き上げ、代替案の模索を希望すると述べていた。 ルフトハンザは、公的支援について株主投票にかける臨時株主総会を6月25日に開催する。 出席する株主は20日までに登録する必要がある。 出席率が50%を上回れば、単純多数決で決まるが、50%を下回ると議案の承認には3分の2の賛成が必要となる。 取締役会は、臨時株主総会の出席率が50%を下回ると予想。 …(略)… ティーレ氏は、独紙フランクフルター・アルゲマイネとのインタビューで、政府がルフトハンザ株式20%を取得し、監査役会メンバー2人を送り込む支援案に不満を表明。 【ドイツ監査役会】― 引用終り― 政府の株式取得比率が増え、監査役会構成員2名まで送り込まれたら、大口個人株主の発言力は低下する。 ルフトハンザグループは、ドイツだけでなく、ベルギー、オーストリア、スイス政府に対しても、緊急融資を求めている。一企業の株主比率に問題を矮小化すると、グループ解体の危機を招く。 ドイツの監査役会は取締役会の上位機関。 監査役会は業務の執行に当たる取締役会を監査、監督する。 ・監査役会構成員は株主総会で選任される。 ・監査役会構成員は取締役を兼任することはできない。 ・500人超の従業員を有する株式会社 (AG) では株主総会で選任される監査役会構成員とは別に、従業員代表の監査役会構成員が選任される。 ・監査役会は,取締役を最長5年の任期で選任する。 ・取締役会議長を指名することができる。
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最終更新日
2020年06月27日 06時00分08秒
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