テーマ:ポテサラ(6)
カテゴリ:テーマパーク 遊び場 旅
コロナ禍で外食店が氷河期に陥る中、高級料理店のメニューにない「ポテサラ」に工夫を凝らして提供する「ポテサラサミット」が企画され、実施された。 2020年7月4日、11:00-20:00、大阪市大正区の HOSTEL NAGAYADO OSAKA で「ポテサラサミット2020」が開催された。 参加費は、13〜15種類のポテサラ盛り合わせとワンドリンクで2,500円。 マイクロコミュニティから見える未来 コロナ禍の大阪で開催
「ポテサラサミット」で活性化した飲食店とコミュニティ 文:須田 泰成 ひとまち結び …(略)… 4ヵ月も宿泊客ゼロ、 解雇された料理人の間借りレストランを活用 「いや〜、実はうちも3月から6月いっぱいは、宿泊のお客さんがゼロやったんです〜」 初めてお会いした楠原さんは、意外な明るさでビジネスの現況を教えてくれた。 2018年から営む宿泊施設「HOSTEL NAGAYADO OSAKA」は、大阪湾を臨む下町、大正区三軒家西にある。 70mほど北を淀川水系の一級河川・尻無(しりなし)川が流れ、夏の夕暮れ時に満潮を迎えると周囲を潮の香りが漂い、海が近いことを感じさせる。 …(略)… ちなみに、おばんざい田中さんは飲食店ではなく、自宅で友人たちに手料理をふるまう、大正区在住・料理好きのトラックドライバーである。 ポテサラという啓示を受けた楠原さんは、すぐ「ポテサラだけでイベントしたい」と、ケンタローさんに相談。 複数の店舗がポテサラで一つになるイベントの段取りがはじまった。 時すでに6月上旬。 とりあえず開催日を7月4日(土曜日)と決め、楠原さんは自ら直接、参加候補の店に食べに行き、全ての交渉と準備を進めた。 楠原さんは交渉の前に、「ポテサラの定義とイベントのルール」を以下の4つに決めた。 (1)ポテサラには必ずジャガイモとお酢を使う (2)高級食材と、なまものは使わない (3)ポテサラの順位は決めない (4)参加店の条件は普段のメニューにポテサラがないこと 「普段なら忙しくて開催できないけど、今の時期ならできるかと思ったんです。 交渉では、食べに行って、ゆっくり過ごしてから、店主が少し余裕できたかなーという時を見はからって、突然切り出すんです。 『今度イベントやるんで、本気のポテサラを出してくれませんか!』って。 ほとんどテロでしょ(笑)。 しかも、普段のメニューにポテサラがないから、わざわざ作らなアカンという(笑)」 ある高級店のオーナーシェフは、そんな楠原さんの言葉を受けて、「それ言うためだけに飯食いに来たんか?」と話し、少し緊張感のある間を置いた後、楠原さんの目を見て「面白いから出るわ(笑)」と、切り返したという。 ぶっきらぼうな中に愛情を感じさせる言動の行間から、楠原さんが長年に渡って培ってきた店との関係性が想像できる。 6月中に、13店舗から16種類のポテサラの出品が決定。 この4月にオープンした店、今年オープンしようとしている店など、経営が軌道に乗る前にコロナ禍に飲み込まれた新しい店の参加もあり、ポテサラに合わせる野菜を提供する八百屋、パン屋も加わることになった。 イベント名は「ポテサラサミット2020」に決まった。 ― 引用終り ―…(略)… 結果は参加人数60人あまりと、通常の感覚からすれば少なめだったが、感染対策をしながらだと考えれば上々の客入り。 売上高については赤字を回避できるレベルは達成できた。 …(略)… イベント参加者には、それぞれの店のショップカードを手渡した。 すると、翌日、翌々日には早くも、「ポテサラがおいしかった」と感じた店を訪れて、SNSに料理や店の写真をアップする客が相次いだ。 中にはイベントに参加しなかった人までが、投稿に触発されて店に行くケースも見られた。 これからの街の消費を担う30代を中心とする若い世代が主である。 家庭料理、日常の購入惣菜であるポテサラで、料理人が腕を振るうイベントは、外食が冷え込んでいる時期にしか始められないこと。 専門家が「特別感」を演出して「異なる日常」をみせるのは、コロナ後の旅行・外食産業のテーマである「マイクロツーリズム」につながる一つの要素。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年08月29日 16時00分07秒
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