テーマ:自動車・交通(1690)
カテゴリ:自動車メカ、部品
世界的コロナ禍の拡大で、失業者は激増し、消費は減退。 8月の国内の新車販売台数は前年同月比16.0%減となり、11か月連続で前年を下回った。 世界市場に進出した日本の自動車産業では、財務体力の少ない部品メーカーが危機に陥っている。 カーエアコン用のコンプレッサーで世界シェア2位のサンデンHDが事業再生ADRを申請。 ミツバは希望退職500人を募る。 萬松は自己破産を申請し、破産手続きを開始した。 企業の財務体力差が露わになる。 トヨタ、日産、ホンダ ……自動車産業の「コロナ破綻」 は避けられないのか 部品メーカーの現場で見た 「惨憺たる状況」の真実 2020/9/1 週刊エコノミストOnline 「暗いトンネルに入ってしまった。遠い先に明かりは、全く、見えない」──。 SUBARU(スバル)の城下町である群馬県太田市で、エンジンや変速機部品の研削を担う2次下請けの金属加工会社「アミイダ」の阿久戸洋希社長(47)は落胆を隠せない。 新型コロナウイルスは、まずは、外食や小売り、輸送などのサービス産業に大きな打撃を与えたが、その魔手は、いよいよ、日本のものづくりの「心臓部」である自動車産業を侵し始めた。
…(略)… 自動車向け空調部品のサンデンホールディングス(HD、群馬県伊勢崎市)が6月30日、私的整理の一種である事業再生ADRを申請し、受理された。 同社はカーエアコン用のコンプレッサーで世界シェア2位を誇る。 サンデンHDの広報担当者によると、ADR申請の理由は「欧州市場でガソリン車向けの需要などが減っていたところに、コロナで各地の工場が休業に追い込まれ、売り上げが落ち込んだため」という。 サンデンHDはフォルクスワーゲンやダイムラー向けなどの欧州、中国でも事業を拡大してきた。 帝国データバンクによると、サンデンHDの1次、2次の下請け企業は全国に2134社あり、特に群馬県内には401社と全体の約2割を占めるため、地元経済への影響は計り知れない。 群馬県商工会議所連合会の曽我孝之会長は「地元にとってサンデンの存在はあまりにも大きい」と強調し、スポンサー企業との提携による事業再生に期待を寄せる。 サンデンHDだけではない。 群馬県桐生市に本社を置く自動車電装部品製造の「ミツバ」も7月15日、グループ内から500人規模の希望退職者を募ると発表した。 また、老舗自動車部品メーカー「萬松」(東京都新宿区)は4月、東京地方裁判所へ自己破産を申請し、破産手続き開始決定を受けた。 ◇秋口からさらに悪化 SBI証券の遠藤氏は「世界の自動車販売が9000万台へ回復するには、この先3~4年かかるかもしれない」と厳しい見通しを示す。 仮に、販売台数がコロナ前の水準を回復しても、環境規制や自動運転への対応で電動化が進めば、自動車1台当たりの部品点数は、ガソリン車の3分の2から半分程度になると見られている。 自工会によると、18年の全製造業の製造品出荷額のうち、自動車の割合は約19%。 自動車製造の設備投資額は1兆5349億円で、18年度は全製造業のうち約23%を占めた。 雇用で果たす役割も大きく、自動車産業への就業人口約542万人は、日本全体の約8%を占めている。遠藤氏は「自動車が落ち込めば、関連する鉄鋼や電機、機械、化学など他の産業も落ち込むが、それに代わる産業が日本にはない」と指摘する。 すでに、ドイツでは、フォルクスワーゲンが約1万2000人、BMWが6000人、ダイムラーが1万5000人規模の人員を削減すると報じられている。 ― 引用終り ― パワーユニットの電動化の拡大は、新型コロナ感染拡大以前から決まっていた。 内燃機関のエンジン関係の部品が不要になることも分かっていた。 これらにコロナ禍による新車需要の減退が加わった。 いずれにしろ、得意分野に左右されるが、自動車部品メーカーは車体組立メーカー以上に事業存続に危機が起こる。 さらに自動車メーカーによる、大消費地中心の生産体制の集約と自動車部品の現地調達がすすむことが予想される。 危害進出していない部品メーカーは、さらなる危機が予想される。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年07月04日 21時06分08秒
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