SAC.COM

2021/01/21(木)06:00

2021年原油相場の5大予測

経済(440)

​  20世紀から続いた石油文明が一区切りつけようとしている。 中東の寡占状態にあった原油は、掘削技術などの進歩で、世界各所の海底から採掘可能となり、シェールから採掘可能となり、寡占状態は崩壊した。 OPECがまとまってもOPECプラスが強調できない限り、原油の供給は調整できず、価格を支配することはできない。        ​​ 世界は石油文明に区切りをつけようとしているが、過去の蓄積が大きく、短時日に区切りがつくわけでもない。 下記は過剰反応しがちな投機家の心理の戒めの言葉。        ​​2021年原油相場の5大予測​“脱炭素”に過剰反応してはならない​吉田 哲2020/12/21 トウシル原油相場は2021年、60ドル台が定着すると考える  …(略)… 2020年の前半、原油相場は厳しい状況に置かれていましたが、後半になると状況が一変しました。 OPECプラスが5月に再開した協調減産が順守されていることがデータで示されたこと、主要国が金融緩和を始め、コロナで負った経済的なダメージが回復する期待が浮上したこと、バイデン氏とワクチンへの強い期待がもととなり期待先行相場が発生したこと、などが主な要因です。 2020年半ばから始まった原油相場の上昇傾向は、2021年も継続すると筆者は考えています。 その理由を“5大予測”として以下より述べます。 上昇傾向が継続し、2021年、WTI原油先物(期近)価格は、60ドル台で定着する可能性があると、考えています。        ​​2021年、原油市場はこうなる!5大予測1 米シェ―ル主要地区の原油生産量の回復は、早くて2021年夏か。2 OPECプラスの減産はまだまだ続く。 減産を大々的にけん制する人もいなくなった。3 株価が上昇すれば、原油価格も上昇せざるを得ない。4 “脱炭素”は進むが、人類が豊かな生活を望む限り、原油消費はすぐにはなくならない。5 仮にマイナー銘柄になったとしても、そのこともまた、価格上昇要因になり得る。  ― 引用終り ―        ​​ この度のように協調減産が再開されれば、シェールオイル産業に対するストレスは緩和され、活況から反転した米国のシェール産業の崩壊の可能性は薄れる。 だが、いったんオイルマネーに浮かんだ国々の財政は、容易にそれ以前に復することを許さない。「政策」と「価格」によって需要と供給とのバランスが均衡のとれた状態にすることが求められている。 国家財政が危機に瀕しないよう最低限の生産調整の合意がなされる。 原油価格の急落傾向対してはブレーキが掛かることで、石油の供給源としてのシェール産業の存続ははかられる。 多様な供給源が温存されることで、原油価格は経済拡大、株価上昇などの影響を受けにくくなる。        ​​​シェールオイル企業の破たん始まる​トランプ大統領は原油安是正のディールに自信小菅努|マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト2020/4/2(木) 21:30  米シェールオイル生産のホワイティング・ペトロリアム(Whiting Petroleum Corp)は4月1日、日本の民事再生法に相当する米連邦破産法11条の適用を申請したと発表した。 サウジアラビアとロシアの対立、そして新型コロナウイルスの影響で原油・天然ガス価格が急落する中、負債の削減などキャッシュフローの改善による経営再建を目指すことになる。 同社は上場企業であるが、今回の原油相場急落における初の破たん事例になる。        ​​ シェールオイル企業の破たんが現実化したことで、今後はエネルギー企業の資金調達は一段と困難になり、経営破たんやデフォルト(債務不履行)が連鎖的に発生する可能性も高まっている。 シェールオイル産業の崩壊がいよいよ目に見える形で確認できる状況になっている。  ― 引用終り ―        ​​ 電動化、エネルギーの効率的利用の進歩により、石油消費量は経済発展と比例的に増大しない。 石油産業は次の食い扶持を探さなければならない。  

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る